先週はトランプ大統領がメキシコ国境での壁建設をめぐって非常事態を宣言したほか、ベネズエラでは大統領の信任をめぐって国論が分裂、事態は深刻の度を増している。英国はEU離脱をめぐって世論が分裂、メイ政権は崩壊の危機に直面している。週末に開かれたミュンヘン安全保障会議ではイランやロシアをめぐって欧州と米国が対立、世界最強の同盟関係だった米国と欧州の亀裂も修復の兆がみえない。日韓関係は相変わらず険悪だ。ドイツで会談した日韓の外相は言った、言わないで場外論争を巻き起こしている。国際的に政治が機能不全に陥っている。

いまに始まったことではないかもしれない。だが、いままで以上に事態は深刻のような気がする。米議会は民主党と大統領が真っ向から対立している。この事態を収拾する調停役はどこにも見当たらない。大統領は選挙公約の実現という大義名分がある。一方の民主党には直近の下院選挙で多数を制したという大義がある。正当性ではどちらも甲乙つけがたい。直近の選挙が優先されるとすれば民主党に分があるかもしれない。だが、大統領選の敗北は当時のクリントン候補ならびに民主党も認めている。世界のスーパーパワーを象徴する大統領の主張に、簡単にノーを突きつけていいものか、神様でもない限り誰も断定はできない。ということで結局この戦い、終戦のめどがつかないままエンドレスに続きそうな雰囲気である。

英国のブレグジットはもっと深刻だ。時事ドットコムによるとフェルホフスタット欧州議会議員(元ベルギー首相)は、英与党・保守党の「ハード・ブレグジット(強硬な離脱)」派を18世紀のフランス革命の政治指導者になぞらえた上で、「彼らは断頭台で生涯を終えた」と警告した。トゥスクEU大統領は強硬離脱派に「地獄の特別な場所」が待っていると過激な言葉を投げつけた。良い悪は別としてそう言いたくなる気持ちは分からないでもない。メイ首相を始め英国の政治が有史以来の危機を前に機能しなくなっている。ベネズエラも酷い。こちらは前近代的な独裁者が政治をメチャメチャにした。そこにロシアと中国が加勢している。歴史が繰り返しているのか、無謀な政治家による危機の表面化なのか、いずれにしても地球規模で危機が広がっている。