【ソウル時事】韓国の文在寅政権は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長とロシアのプーチン大統領の初会談を受けて、南北首脳会談の開催に向けた調整を本格化させる。米朝間の対話を仲介し、非核化協議の進展につなげたい考えだ。

 文氏は11日にワシントンで行われたトランプ大統領との会談で、南北首脳会談実現を目指す考えを伝え、本格的な準備に着手するよう関係部署に指示した。しかし、北朝鮮は正恩氏とプーチン氏との初会談の準備に忙殺されており、南北首脳会談の日程調整に本腰を入れるのは、ロ朝首脳会談終了後になるとみられている。

 文氏は25日、訪韓したロシアのパトルシェフ安全保障会議書記らと会談し、「今、喫緊の課題は米朝対話再開と非核化促進だ」と強調。「ロ朝首脳会談が米朝会談再開や非核化プロセス促進に向けた土台になるよう願う」と述べた。

 文氏はまた、アジア地域の英字紙幹部との会見で、「正恩氏は今、プーチン氏と会うなど外交日程を消化しているが、できるだけ早く正恩氏と会い、米朝対話を促進したい」と語り、米朝間の仲介に改めて意欲を示した。

 ただ、正恩氏は先の施政演説で、米韓の対応を批判しており、南北首脳会談に応じるかどうかは不透明だ