[メキシコ市 5日 ロイター] – メキシコのロペスオブラドール大統領は、米国がメキシコからの輸入品全てに関税を課した場合に報復関税の対象となり得る米国製品のリストを受け取った。4人の関係者が5日、匿名で明らかにした。 

関係者によると、リストは大統領官邸に提出されたが、何も決定されていない。 

対象となる製品は昨年の米政権による鉄鋼・アルミ関税に対する報復時のものと似ており、主にトランプ大統領の選挙地盤に影響が及ぶように調整されているという。 

関係者によると、2016年の大統領選挙でトランプ氏が勝利したミシガン州、ペンシルベニア州、オハイオ州などがターゲットとなる見込み。これらの州は農業を主体としていたり、いわゆる「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれたりしている。 

ただ関係者2人によると、米国産のトウモロコシはリストから除外されたという。関係者1人は変更される可能性を指摘した。 

メキシコで拡大している畜産業は年間数百万トンに上る米国産の黄トウモロコシに依存しており、業界関係者によるとトウモロコシの米国からの輸入を他国に迅速に切り替えるのは極めて難しいとしている。