[19日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は18─19日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定した。ただ不確実性の増大などに対応するために年内に最大0.5%ポイントの利下げが実施される可能性があることも示唆した。 

市場関係者のコメントは以下の通り。 

<ハンティントン・ナショナル・バンクの最高投資責任者(CIO)、ジョン・オーガスティン氏> 利下げの可能性を示しつつ、この日は行わなかった。貿易などの大きなニュースがない限り、7月実施の公算が大きくなるだろう。 
 市場期待以上の内容で、不透明性増大や注視インフレ抑制緩やかな経済活動といった市場が注目していた4つのキーフレーズがすべて(声明に)盛り込まれていた。 

<ベーカーアベニュー・アセットマネジメント(サンフランシスコ)の首席投資ストラテジスト、キング・リップ氏> 年内に1回かそれ以上の利下げが実施される公算があることが示された。20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が夢のような大成功にならない限り、FRBは年内に利下げに踏み切る。 

<リジェンタトランティックの最高投資責任者(CIO)、クリス・コルダーロ氏> 仮にこの日利下げが行われていたら、 米連邦準備理事会(FRB)が経済より政治の影響を受けていると懸念を強めていただろう。景気指標を見れば、今日利下げに踏み切る根拠を挙げるのは容易でない。失業率もかなり低い水準が続く。景気が鈍化しつつあるものの、後退局面に陥る可能性には近づいていない。この日や7月でさえ利下げを実施するのは時期尚早だろう。一段のデータ分析が必要だ。 

<イートレード・ファイナンシャル(ニューヨーク)の投資戦略担当バイスプレジデント、マイク・ローウェンガート氏> FRBはFOMC声明から「忍耐強く」との文言を削除し、経済情勢の形容に「緩やか(moderate)」という言葉を使った。FOMCメンバーの政策金利見通し分布(ドット・チャート)はまちまちな感じだった。 
 多くの意味で先月から発せられたメッセージを継続するもので、今回のFOMC声明はFRBが一段とハト派化したことを示すものだったと受け止めている。 利下げ観測は高まっている。FRBが7月に利下げに踏み切る公算は増大した。 

<ファーストフランクリン・フィナンシャルサービス(フロリダ州)の主任市場ストラテジスト、ブレット・ユーイング氏> 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は市場の予想通りだった。「忍耐強い」との文言が声明から削除された。ドットチャート(今後の政策金利の推移を点で示したグラフ)によると、2020年にかけおそらく最大0.5%ポイントの利下げが行われる見込みだ。7月利下げの可能性も高まっている。 

<BライリーFBRの首席グローバルストラテジスト、マーク・グラント氏> (セントルイス連銀総裁の反対について)今の段階で利下げをすべきだと認識する賢明なメンバーの1人だ。欧州中央銀行(ECB)や日銀、スイス中銀が米国より金利引き下に積極的であり、最近のECB側の発言や今後の行動で、米連邦準備理事会(FRB)に圧力が掛かっている。FRBは米国の利益を守る必要がある。 
 FRBは2008年以降利下げを行っていない。米国債の利回りが欧州や日本より高い水準にある中、他の中銀の政策に合わせようとしているのではないか。 ドットチャートが相当ハト派にシフトしたことから、年内に2回とまではいかなくても、少なくとも1回の利下げを予想する。 利下げに踏み切らなければ、ドルがユーロなどの主要通貨に対して強くなり、国内経済にマイナスの影響をもたらすことになる。