[ロンドン 28日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米個人消費支出統計を受け来月に利下げが実施されるとの観測が裏付けられたことでドルに若干の圧力がかかったものの、米中首脳会談を翌日に控え、ドルはほぼ横ばいで推移した。 

商務省発表の5月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.4%増と緩やかに伸び、市場予想と一致した。個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.2%上昇と、小幅な伸びにとどまった。これを受け、米連邦準備理事会(FRB)が来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げに踏み切るとの観測が強まった。 

ソシエテ・ジェネラルの企業調査部門責任者、ケネス・ブロー氏は「今回の統計は7月の利下げ観測を変えるものではなかった」と指摘。ドル相場に対する影響は限定的で、終盤の取引でユーロは対ドルEUR=で0.04%高の1.1372ドルとなっている。 

月間ではユーロの対ドルでの上昇は2018年2月以来の大きさとなる見通し。ただ1─6月では0.9%の低下となる。 

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は、大阪市で開幕した20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせ29日に会談を行う。両国が貿易戦争の休戦で合意できるかは不明で、野村のG10外為ストラテジスト、ジョーダン・ロチェスター氏は「個人的には悲観的にみている」と述べた。ただ、両国の首脳が顔を合わせることで通商問題で何らかの進展が得られるのではないかとの期待も出ている。 

主要6通貨に対するドル指数.DXYは96.15、週初からほとんど変わらない水準にある。 ドル/円JPY=は107.76円と、ほぼ横ばい。週初からは0.4%の上昇となる見通し。 

ドル/円 
NY終値 107.88/107.91 
始値 107.66 
高値 107.93 
安値 107.65 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1368/1.1372 
始値 1.1381 
高値 1.1392 
安値 1.1352