[マイアミ 28日 ロイター] – 27日夜開催された2020年米大統領選に向けた民主党候補者討論会2日目は、ジョー・バイデン前副大統領やバーニー・サンダース上院議員など支持率で上位を走る有力候補者を中心とする顔合わせになったが、最も健闘が光ったのは移民を両親に持つ黒人女性カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州、54)だった。 

ジャマイカ出身の黒人の父親とインド系の母親を持つハリス議員は、自身にとって根幹的な問題とする人種格差の問題を取り上げ、バイデン氏が1970年代に人種差別撤廃のためのスクールバス通学に反対したことや、数十年前に人種隔離政策を主張する南部州選出の上院議員たちと議会で協力したと最近発言したことについて厳しく追及した。 

ハリス議員はバイデンを直視し、「あなたが人種差別主義者とは思っていないし、共通の基盤を見いだすことが重要と訴えていることに同意する」と述べた上で、「人種差別によって出世し、名声を得た上院議員2人を、あなたが称賛するのを聞くのはつらかった」と述べた。 

バイデン氏はハリス議員の攻撃に揺らいだ様子を見せながらも、 自身の公民権推進への取り組みを強調し、人種差別主義者を称賛したというのは誤りだと主張。「私がこれまでやってきたことはすべて公民権推進が目的だ。根本的な変化が必要と引き続き考えている」とし、自身を擁護した。 

若手のエリック・スウォルウェル下院議員(カリフォルニア州、38)もバイデン氏を攻撃。「僕が6歳の時、カリフォルニアで行われた民主党党大会に大統領候補がやって来て、新しい世代にバトンを渡す時だと語った。その候補者はバイデン氏だった」と述べ、76歳のバイデン氏が若い世代にバトンタッチする時期だと強調した。 

人種問題を巡っては、性的少数者(LGBT)であることを公言しているインディアナ州サウスベンド市のピート・ブティジェッジ市長(37)にも厳しい質問が向けられた。同市では今月、白人警察官が黒人を射殺する事件が発生。ブティジェッジ氏は、同市の警察の人種多様化に向けた自身の取り組みが十分でなかったことを認めた。 

1日目の討論会と同様、医療保険の拡大も焦点となった。民間保険を廃止するプランを支持する候補者は誰かとの質問に対し、サンダース氏とハリス氏のみが手を挙げた。 

ハリス氏は28日、MSNBCに対し、民間保険を完全に廃止することは支持していないと説明。「私は国民皆保険制度『メディケア・フォー・オール』を支持しており、これを補完する形で民間保険は存続すべき」と述べた。