[パリ 16日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は16日、パリで講演し、米景気拡大の継続を後押しするため「適切に行動する」と改めて表明した。 

パウエル議長は、貿易摩擦や2%を下回って推移するインフレなどを巡る懸念が「多少ながら一段の刺激策への根拠を強めている」との考えを多くのFRB当局者が直近の会合で示したとし、「こうした動向を注視し、米経済見通しやインフレへの影響を見極める。そして景気拡大継続に向け、適切に行動する」と語った。 

市場では今月30―31日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを確実視している。 

パウエル議長は米経済が引き続き「堅調に」推移し、労働市場の力強さを持続させ、消費支出の回復を支援すると予想した。同時に一連の「不透明要因」がFRBの見通しに影を落としているとも指摘。貿易摩擦や低水準のインフレに加え、世界経済成長の減速や米連邦政府債務上限を巡る協議、無秩序な英国の欧州連合(EU)離脱などが不透明要因とした。 

FRBが物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数は6月の伸びが前年比1.7%だったとし、失業率と物価の関係を含め、落ち着いたインフレ率のすう勢が今後も継続するとの見方を示した。経済指標ではこれから月末までにPCE価格指数や国内総生産(GDP)統計などが発表される。