[ニューヨーク 31日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、約2年ぶりの高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)は予想通り10年ぶりの利下げに踏み切ったものの、パウエルFRB議長が政策決定後の会見で利下げサイクルの始まりではないと強調したことがドルへの追い風となった。 

FRBは31日までに開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.00─2.25%に25ベーシスポイント(bp)引き下げることを決定。パウエル議長は会見で、利下げは「サイクルの半ばにおける調整」と説明した。 

ドルは対ユーロで2017年5月以来の高値を更新。終盤の取引で、ユーロ/ドルEUR=は0.8%安の1.1058ドル。他の主要中銀がFRBの利下げに追随すれば、米資産が恩恵を受ける可能性があるとの見方も反映している。 

主要6通貨に対するドル指数.DXYも一時約2年ぶり高値を付けた。その後は0.6%高の98.631。 

シチズンズ銀のグローバル・マーケッツ部のトニー・ベディキアン部長は「FRBは労働市場が堅調とし、緩やかな成長に向けた合理的な兆しがあると認めた。今後数カ月の政策判断について広範な余地を引き続き残している」と述べた。 

CMEグループのフェドウォッチによると、市場では前日、35%の確率で年内に3回の利下げが実施されるとの見方が織り込まれていたものの、この日は12%まで低下した。 

ドル/円 
NY終値 108.74/108.77 
始値 108.56 
高値 108.99 
安値 108.50 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1074/1.1077 
始値 1.1145 
高値 1.1153 
安値 1.1061