今朝目についたのは、政府が検討を進めている経済対策の事業規模が20兆円を超えるとの予想記事だ。日経新聞は総事業費が「20兆円を超える」、ロイターは「25兆円程度」、毎日新聞が「25兆円台後半」など、総事業費の見通しは一様ではない。現在検討中であり最終的な落とし所に違いがあっても大した問題ではない。大事なのは2016年以来となる経済対策が動き出しているという事実だ。多少気になるのは政府が支出するいわゆる“真水”が13兆円台にとどまること。事業費は2019年度の補正予算と来年度の当初予算に振り分けて計上される。補正だけで25兆円規模になればビックサプライズだが、来年の3月までには消化できないだろう。それでも積極財政が動き出すことは個人的にはいいことだと思う。

台風15号、19号の予想を超えた被害の拡大、消費増税の導入、デフレ要因が満載の全世代型社会保障改革などを考えれば、この辺で大規模な経済対策を打たないと日本経済は再びデフレ化する恐れが十分にある。それを阻止するためにも経済対策の策定は不可欠だ。日経新聞によると今度の対策の大義は①アベノミクスのエンジンを再点火し、デフレ脱却と経済再生への道筋を確実なものにする②災害からの復旧・復興③経済の下振れリスク回避、未来への投資と東京五輪後の経済活力の維持ーの3つだという。具体策の中では就職氷河世代を国家公務員として採用するための中途採用枠の創設、2023年度までに義務教育の児童生徒一人ひとりにIT端末を配備する。この二つは、個人的にも全面的に賛同できる。

IT端末の配備は遅きに失したと言っていい。先進国の中で教育投資が最低の日本である。高等教育を含め教育投資はもっともっとやるべきだ。欲を言えば消費者対策も積極的にやってほしいと思う。消費増税対策として実施したキャッシュレス還元は予想以上の成果を挙げている。実効性の上がる対策をタイムリーに実施すれば、消費者はそれなりに反応する。目下最大の懸念要因は消費増税にともなうデフレ再燃懸念と全世代型社会保障改革だ。年金改革では非正規雇用者を中心にアルバイトやパートなど低所得者の厚生年金への加入義務づけがテーマとして浮上している。こちらは目先的には新たなデフレ要因になる。デフレ脱却が大義名分の安倍政権である。政策の方向性を間違わないためにも大胆な経済対策が必要だ。