[ワシントン 29日 ロイター] – 米下院民主党は29日、今後5年で7600億ドルをインフラ整備に投じる法案を発表した。 

老朽化した道路や橋の改修や二酸化炭素排出削減が目的だが、トランプ大統領を交渉のテーブルに戻すことも視野に入れている。大統領は2016年の選挙戦で10年間での巨額インフラ投資を公約に掲げていたが、就任後は減税と医療保険改革が優先された。 

法案を巡る民主党の文書は「米国のインフラは危機に瀕している。われわれは数十年にわたり1950年代の交通システムに頼ってきた」とし、道路、橋、鉄道、公共交通機関、水道、インターネットの拡大、電力網、航空、産業活動による汚染土壌を対象とした支出を提案。 

具体的には、4万7000カ所におよぶ老朽化した橋梁の改修を中心に陸上輸送インフラに3290億ドルの投資を行う。このほか、電気自動車の充電ネットワーク整備に15億ドル、鉄道網に550億ドル、空港設備に300億ドル、インターネットアクセスに860億ドルの投資を行う。 

下院運輸委員会のピーター・ディファジオ委員長は「渋滞とインフラ危機を解決することで、気候変動の影響に多くの面で対応できる」と述べた。 

トランプ大統領と民主党指導部は昨年4月、2兆ドルのインフラ投資計画で合意したが、財源を巡る議論は深まらなかった。数週間後に大統領は、議会でのロシア疑惑追及を批判してその後の会合を突然打ち切った。 

民主党の提案について、ホワイトハウスはコメントを控えた。