米国の保健当局は州および地方の衛生試験所に対し、新型コロナウイルス検査方法の変更を認めた。数週間遅れている検査のペースを取り戻し、広がる感染への警戒を強める。

  米疾病対策センター(CDC)と米食品医薬品局(FDA)の当局者は26日の電話会議で、州・地方の試験所に一部の検査手順を省いてもよいと許可した。公衆衛生試験所協会(APHL)のスコット・ベッカー最高経営責任者(CEO)が明らかにした。APHLは州・地方の試験所を代表する団体。

  今回の変更により、検査が迅速化されるほか、州・地方の試験所は今月初めに送られた数百もの検査キットを使い始めることが可能になり、連邦保健当局から送付される新型版を待つ必要がなくなる。政府と民間企業は病院や公衆衛生試験所向けに、改良版の検査キットも新たに開発している。

  「向こう1週間に実施できる検査の数はずっと多くなる」とベッカー氏は電話インタビューで発言。「全米で対応能力が高まるだろう」と述べた。

  CDCにコメントを求めたが、返答は得られていない。CDCは2月5日に検査を拡大する計画を発表したが、約200の試験所での検査は滞っている。

  現在のところ約40の公衆衛生試験所で、既存の手段を一部省いたウイルス検査が可能だと、アザー米厚生長官は27日にワシントンで発言。政府が開発中の新たな検査キットは、90余りの公衆衛生試験所に早ければ3月2日に送付される可能性があるという。

原題:U.S. to Expand Coronavirus Testing After Delays in Surveillance(抜粋)