菅政権が新たに立ち上げた「成長戦略会議」(議長=加藤勝信官房長官)の初会合が16日あり、中小企業政策をめぐり、菅氏のブレーンである企業経営者と中小企業の代表が対立する一幕があった。菅首相は中小企業の生産性を高めることを成長戦略の一つの柱に位置づけるが、さっそく注文がついた格好だ。

 会議の目的は、経済成長を実現させるための具体策を議論すること。この日の論点の一つになったのが、中小企業の生産性向上だった。内閣官房幹部によると、菅氏のブレーンである元外資系証券アナリストのデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長)と中小企業でつくる日本商工会議所の三村明夫会頭の間で、意見の対立があったという。

 アトキンソン氏は著書の中で「日本の生産性悪化の一番の原因が中小企業」「生産性の低い企業は『退出』させなければならない」などとし、中小企業の統廃合を訴えている。この日の会議にも、「廃業等を防ぐM&A(企業合併・買収)促進」と記した図を資料として提出した。

 一方、会議終了後に取材に応じた三村氏によると、同氏は会議で「生産性が悪いのは中小企業だけじゃなく、大企業も含めて日本全体。そういう形で捉えなきゃいけない」と反論。中小企業の代表として意見を述べたと説明した。三村氏は前日の日本商工会議所での会見で、アトキンソン氏の複数の著書を熱心に読んだとしたうえで、「議論が非常に楽しみだ」と話していた。(諏訪和仁、津阪直樹)