[ウィルミントン(米デラウェア州) 8日 ロイター] – バイデン次期米大統領は8日、12月の雇用統計で一段の新型コロナウイルス対策が必要なことが示されたとし、財政赤字が膨らんだとしても、現時点で行動を起こすことが経済に対する支援になるとの考えを示した。

労働省がこの日に発表した2020年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比14万人減少し、8カ月ぶりに悪化に転じた。国内でなお猛威を振るう新型ウイルスにより、パンデミック(世界的大流行)禍からの回復が一時的に失速する可能性が示唆された。

バイデン氏は、議会が昨年末に承認した9000億ドル規模の追加新型ウイルス対策は極めて重要な一歩としながらも、国民の支援に必要な広範な取り組みの「頭金」でしかないと指摘。「特に金利が現在のような低水準にある時、財政赤字が膨らんだとしても直ちに行動を起こすことで労働市場の悪化が食い止められ、経済成長が後押しされ、経済に対する短・長期的な支援になることが経済調査で裏付けられている」と述べた。

その上で、ワクチン配布の加速化計画を含む景気刺激策の原案を来週、策定すると表明。「家計や中小企業に対する一段の直接支援が必要だ。家計への現金給付は600ドルでは全く足りない。2000ドル給付の実現に向けた作業を終えなくてはならない」と述べた。