英国では新型コロナウイルスによる死者がついにゼロとなり、欧州の経済活動再開への楽観から欧州株は最高値を更新しました。一方、日本や中国の主な株価指数やS&Pアジア50指数はいずれも2月に最高値を更新して以来、上値の重さが目立ちます。パンデミック後の世界を描ける地域と描き切れない地域の差を株価は反映しているのかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

死者ゼロ

英国では新型コロナウイルス検査で陽性が確認されてから28日以内の死者数が、1日にゼロとなった。政府がデータを発表した。BBCが報じたところによれば、英国で1日当たりの同死者数がゼロになったのは、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来初めて。

拡大ペース加速

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業総合景況指数は61.2に上昇した。新規受注が堅調で、入荷遅延の指数は1974年4月以来の高水準。製造業者が原材料不足や出荷の遅れ、熟練労働者の確保困難といった問題を引き続き抱えていることが示唆された。18業種中、16業種が活動拡大を報告。家具やプラスチックのメーカーなどが好調だった。

家の伝統

米連邦準備制度理事会(FRB)のクオールズ副議長は、銀行監督担当の副議長としての任期を10月13日に満了した後も、理事として2032年までの任期を満了する「家の伝統」に言及した。クオールズ氏は結婚によって、エクルズ元FRB議長と親戚関係にある。同氏は1948年にFRB議長を退いた後、51年まで理事職にとどまった。近年のFRB理事は指導的役職に再任されなかった場合、理事を辞任している。

産油量引き上げ

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成する「OPECプラス」は、7月に計画通り産油量を引き上げることで合意した。参加国の代表らによれば、OPECプラスは7月に日量84万1000バレルの産油量引き上げを実行する方針を確認。5月と6月の段階的引き上げに続く。需給がタイトになれば、年内にも供給不足が生じ、産油国はもっと難しい決断を迫られる可能性がある。

ベビーパウダー訴訟

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーにアスベストが混入していたことが原因でがんを発症したとして、消費者が同社を相手取って起こしていた訴訟で、米連邦最高裁判所はJ&Jの上告を退けた。これにより、ミズーリ州セントルイスの控訴裁が認めた21億ドル(約2300億円)の賠償金支払いが確定した。

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