[ワシントン 7日 ロイター] – 5月に米パイプライン大手コロニアル・パイプラインがサイバー攻撃を受けた事件について、米司法省は7日、同社がハッカー集団に支払った身代金のうち、約230万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)を回収したと発表した。

モナコ司法副長官は、コロニアルが支払った身代金を「発見し、回収した」と表明。63.7ビットコイン(現在の相場で約230万ドル)を取り返したことを明らかにした。

コロニアルは先月、ハッカー集団からの身代金要求に応じ約500万ドルを支払ったことを認めている。

7日に提出された宣誓供述書によると、連邦捜査局(FBI)は資金の大部分を受け取ったビットコインウォレットをロック解除するプライベートキー(鍵)を保持。FBIがどのように鍵にアクセスしたのかは不明だ。

供述書によると、この「仮想通貨アドレス」はカリフォルニア北部地区に位置しており、サンフランシスコの判事が資金の差し押さえを承認した。

ビットコインの差し押さえは珍しいケースだが、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃が国家安全保障上の脅威となる中、当局はデジタルマネーの流れを追う技術を高めている。

モナコ司法副長官の記者会見に同席したFBIのアバテ副長官は、今回のハッカー集団「ダークサイド」について、ロシアを拠点とするサイバー犯罪集団だとした。

コロニアルのブラント最高経営責任者(CEO)は発表文で、当初からFBIと密接に協力していたとし、「彼らの迅速な仕事とプロ意識に感謝している」と表明した。