[ワシントン 9日 ロイター] – バイデン米大統領は9日、中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」や動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用禁止に関するトランプ前大統領による大統領令を撤回すると表明した。また、同アプリが及ぼす安全保障上の懸念を調査するよう商務省に指示した。

ウィーチャットとTikTokを巡っては、トランプ氏が新規ダウンロードの禁止などを命じたものの、連邦地裁は一時差し止めの判断を下した。米司法省は2月、控訴の是非の決定に時間がかかるとし、連邦高裁に猶予を求めていた。

ある政府当局者は、2019年末に始まったTikTokに対する別個の安全保障レビューは引き続き活発に進行していると指摘。ただし詳細は明らかにしなかった。他の当局者はTikTok利用者のデータリスクを非常に懸念していることに変わりはないと語った。

バイデン大統領はさらに、中国金融会社アント・グループの電子決済サービス「アリペイ」を含む8つの中国系アプリとの取引を禁止するトランプ氏の大統領令も撤回した。

商務省に対しては、米国家安全保障に影響する恐れのある中国企業のアプリを監視し、外国の敵対勢が支配する企業から米個人情報を守る方策について120日以内に提言するよう指示した。

ティックトックやウィーチャット、司法省からのコメントは得られていない。