▽小泉防衛相、「新型軍国主義」を否定 中国の急速な軍拡非難<ロイター日本語版>アジア安全保障会議(シャングリラ対話)

[シンガポール 31日 ロイター] – 小泉進次郎防衛相は31日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で演説し、中国が主張する「新型軍国主義」との批判に反論するとともに、透明性を欠いたまま軍事力を急速に拡大しているとして中国を非難した。
小泉氏は中国が高い水準で国防支出を増やし続けていると指摘した上で、中国の対外姿勢や軍事活動に言及。国際社会全体にとって深刻な懸念だと訴えた。「核兵器と戦略爆撃機を大量に保有している国が、そのいずれも持たない日本を『新型軍国主義』と呼ぶのはおかしい」とし、「平和国家としての日本の歩みは地域と国際社会によって評価されている」と話した。
中国は日本の防衛政策などを「新型軍国主義」と批判し、アジア太平洋地域の国々に対して日本の「新軍国主義の無謀な行動」に警戒し、「共同で対抗する」よう呼びかけている。
日中関係は昨年11月の高市早苗首相による台湾有事発言をきっかけに、ここ数年で最も冷え込んでいる。
小泉氏は、シャングリラ対話の場で中国国防相と会談できなかったことを「残念に思う」とする一方、対話の扉は開いていると強調した。中国の董軍国防相は同会議を2年連続で欠席し、各国との会談の機会を見送っている。
このほか小泉氏は、日本がアジア太平洋地域での防衛装備協力において新たな役割を果たす決意があると述べ、地域の抑止力を具体的に強化する考えを示した。
▽米国防長官、同盟国に防衛費増額要求 中国の軍備増強「警戒」<ロイター日本語版>2026年5月30日午前 11:53 GMT+9
Gregor Stuart Hunter, Rae Wee, Jun Yuan Yong

[シンガポール 30日 ロイター] – ヘグセス米国防長官は30日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説し、中国の軍事力拡大に対抗し、同国による地域支配を阻止するため防衛費を増額するようアジアの同盟国に訴えた。
中国の急速な軍備増強について「警戒感」を抱いているとし、より強力で自立した同盟国の存在が抑止力の鍵だと強調した。
同氏は「中国の歴史的な軍備増強と、地域内外での軍事活動の拡大に対し、正当な警戒感がある」とし、「特定の覇権国が支配する太平洋は地域の勢力均衡を崩壊させることになる」と述べた。その上で、「中国を含め、いかなる国も覇権を押し付けたり、わが国や同盟国の安全保障を脅かしたりすることはできない」とした。
また、米国は1兆5000億ドルの国防投資を約束しており、アジアの同盟国やパートナー国には防衛費を対国内総生産(GDP)比3.5%まで引き上げることを期待していると述べた。
<「ただ乗り」許されず>
ヘグセス氏は「米国が裕福な国々の防衛を支える時代は終わった」とし、「われわれが必要としているのはパートナーであり、保護領ではない」と表明。「全員が当事者として関与しなければ、強固な同盟は築けない。ただ乗りは許されない」と強調した。
同時に、韓国、フィリピン、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、タイなどの貢献を称賛したほか、日本が防衛力強化のために具体的な措置を講じているとし、「日米同盟強化のためには両国がそれぞれ責任を果たす必要がある」と述べた。
<台湾への武器売却はトランプ氏の判断>
中東紛争により米国の武器在庫が減少する中、台湾への武器売却計画が影響を受ける可能性があるとの懸念については「われわれは在庫水準とその使用方法について非常に満足している」と述べた。
その上で、台湾への武器売却に関する決定は「トランプ大統領と双方の関係の性質によって左右される」とし、「米国の立場に変化はない」と述べた。
中国との関係は「ここ数年で最も良好」との認識も示し、軍同士の接触が増えていることに言及。「軍同士の開かれた意思疎通のチャネルを維持することで、中国側との会合頻度が増している」と語った。
中国代表団のメンバーで、中国軍出身の清華大学シニアフェロー、周波氏は米中関係について「複雑」だと述べた。
ただ、ヘグセス氏のトーンは昨年より「はるかに良かった」とし、その変化はトランプ大統領の訪中によるものだと指摘した。
また「双方は意思疎通のチャネルを開いており、状況は外部が描くほど誇張されたものではない」と語った。
中国国防相は2年連続で同会合への出席を見送った。中国は昨年、ヘグセス氏の発言を「中傷的」だと非難していた。
▽中国がスカボロー礁で哨戒活動、シャングリラ対話の最中に<ロイター日本語版>2026年5月31日午後 3:41 GMT+9

[北京 31日 ロイター] – 中国の軍当局と海警局は31日、南シナ海のスカボロー礁付近で哨戒活動を実施したと発表した。同環礁は中国とフィリピンが領有権を巡って対立しており、アジアの安全保障の火種の一つとなっている。
中国軍は交流サイトに声明を投稿し、南部戦区の海軍と空軍部隊がスカボロー周辺海域の「領海および領空」で戦闘準備を整えた哨戒活動を実施したと書き込んだ。「あらゆる種類の権利侵害や挑発行為に対処するための効果的な対策となる」とした。
中国海警局は別の声明で、スカボロー礁付近で法執行の巡視活動を実施したと発表し、今月に入って「違法な侵害活動を行う」船舶に対して「法規に基づき」対処してきたと付け加えた。
ロイターは在北京のフィリピン大使館にメールでコメントを求めたが回答を得られていない。
シンガポールでは現在、アジア安全保障会議(シャングリラ対話)が開かれている。米国やフィリピン、日本などの防衛当局関係者が地域の安全保障について議論している。
フィリピンと中国は南シナ海で頻繁に対峙しており、船舶同士が衝突する事案も発生している。