【ワシントン時事】日本、米国、オーストラリア、インド4カ国(通称クアッド)首脳は24日、中国の習近平指導部が進める経済圏構想「一帯一路」に対抗し、インド太平洋地域で途上国のインフラ整備を支援する新たな枠組みの創設で合意した。中国は影響力の拡大に向け、環太平洋連携協定(TPP)への加入を目指すが、日米豪印は経済の「脱中国依存」をうかがう。

 新枠組みは「日米豪印インフラ・パートナーシップ」。支援対象国を借金漬けにするとの批判もある中国へのけん制から、4カ国は共同声明に「債務の持続可能性など、国際的なルールや基準に沿った公正で透明性のある融資慣行」を掲げた。定期的に高官協議を行い、バイデン米政権が6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で提案した質の高いインフラ構想の実現を目指す。

 米国が主導するクアッドには、「米国第一」をうたい、多国間連携に消極的だったトランプ前政権時代からの巻き返しを図る狙いもある。日米豪印の国内総生産(GDP)が世界全体に占める割合は約36%。中国など15カ国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)の約30%や、11カ国が参加するTPPの約13%を上回っている。

 クアッド首脳会議では「TPPを含むインド太平洋地域の国際秩序の在り方について率直な議論」(日本政府高官)が行われた。4カ国のうち日豪はTPPとRCEPに参加。一方、米国はTPPから離脱し、インドはRCEP参加を見送った。日豪にとって、クアッドは「米国やインドへの働きかけの場」(豪メディア)と言える。

 クアッド首脳は、経済安全保障の観点で重要性が高まる半導体のサプライチェーン(供給網)づくりや、高速大容量規格(5G)の開発で連携する枠組み創設でも一致。先端技術の設計や使用に関し、「共有する価値観や人権尊重に基づくべきだ」との共同原則を定めた。一帯一路を通じ、監視活動に転用可能な通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)などのハイテク技術を輸出する中国とは異なる安全性の高い選択肢を提供し、国際競争に打ち勝つ考えだ。