【バンコク時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国ブルネイは16日、声明を出し、今月下旬の首脳会議に、ミャンマーから「政治に関わらない人物」を代表として招くと発表した。15日の緊急外相会議で一致した。クーデターで権力を握った国軍のトップで、「暫定首相」を務めるミン・アウン・フライン総司令官は出席を認められないことになった。

 ASEANは4月の首脳会議で特使派遣や暴力停止で合意したが、半年が経過しても実現せず、一部加盟国の間で国軍への反発が広がっていた。

 外相会議には国軍が外相に任命したワナ・マウン・ルウィン氏も参加した。声明によると、特使と全当事者の面会を求めるASEAN側に対し、国軍側は国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏やNLD政権で大統領を務めたウィン・ミン氏は、公判中で面会を認められないと主張。国軍が「違法」と認定した民主派勢力の関係者も会わせられないと説明した。

 声明は「合意の履行へ十分な進展が見られない」と指摘。国軍に「信頼醸成に向けた柔軟性の必要性および全当事者と接触する重要性」を強調したことを明らかにした。