【モスクワ、ベオグラード・ロイター時事】ロシアで16日、過去24時間に確認された新型コロナウイルスの新規感染者が3万3208人、死者が1002人に上り、いずれも感染が始まってから過去最多を記録した。大統領府は、ワクチン接種が遅々として進まないことに原因があるとして危機感を強めている。

 ロシアは国産ワクチン「スプートニクV」を開発し、70カ国以上で使用されているが、世界保健機関(WHO)の「お墨付き」は得られていない。逆にロシアで外国製ワクチンが承認されない中、米ファイザー製の接種を求め、首都モスクワから約1700キロ離れた西バルカンのセルビアに出国する人もいる。

 実業家パベル・グリゴリエフさん(50)もその一人だ。妻と一緒にセルビアの首都ベオグラードの大規模接種会場を訪れた。「(WHOなどに認められているファイザー製を受ければ)より頻繁に欧州を旅行できるようになるだろうから」と理由を語っている。