[イスタンブール 16日 ロイター] – トルコ中央銀行は16日の政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポレートを1%ポイント引き下げて14%とすることを決め、来月には利下げを一時停止することを示唆した。1%ポイントの利下げは市場予想通り。通貨リラが史上最低水準に急落後も、エルドアン大統領下で異例の政策を続けた。

他国が金融引き締めに向かっているのに対し、トルコ中銀は金融緩和を進めている。1週間物レポレートが19%だった9月に始まった利下げの効果を今後数カ月間監視すると説明した。

トルコ中銀はこの間に5%ポイントの利下げをしており、リラの記録的な急落を背景にインフレ率は21%を超えた。トルコの実質利回りが大幅なマイナスになっている中で、エコノミストはこの政策を無謀と広く批判している。

今回の決定を受けてリラは一時、1ドル=15.689リラという過去最安値に急落し、グリニッジ標準時の午前11時25分時点(日本時間午後8時25分)で1ドル=15.39リラを付けている。トルコではこの4年間で2度目の通貨危機が発生し、リラの価値は今年に入って半分未満になった。

先週のロイターの調査では、中銀は1%ポイント利下げすると予想していた。一方、アナリストの1人はリラ安のため据え置くと見込んでいた。

サクソバンクの為替戦略部門のトップ、ジョン・ハーディー氏は今回の利下げが「予想通りだが、それでも信じられない」と述べた。

急激なリラ安により、2022年にはインフレ率が30%に急騰し、この2カ月で家計や将来の計画が一変したトルコ国民の収入や貯蓄に大きな打撃を与えると予想される。

あるイスタンブール市民はロイターに対して「残念ながら、人々はもはや胃袋を満たすことができない」と語った。

エルドアン氏は政策金利を繰り返し批判しており、23年の選挙を控えて輸出や信用、経済成長を促進するための金融刺激策を求めている。中銀の指導部を同調者で固める人事を行い、中銀の信頼性を損ねた。

野党議員らは、為替レートとインフレ率の両方によって混乱した経済を軌道修正するために選挙を早期に実施するように要求している。

中銀は、インフレを押し上げた「一過性の」供給サイドの要因を考慮し、金融緩和のために残された「限られた」余地を利用したとコメントした。

中銀は「最近の政策決定の積み重なった影響を22年第1・四半期に監視し、この期間中に持続可能な物価安定の基盤を作るために、政策の枠組みの全ての側面を再評価する」としたが、詳しい説明はなかった。