【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議の履行状況を調べる専門家パネルは、北朝鮮が2021年も「核や弾道ミサイルの基盤となる設備を維持開発し、材料や技術、ノウハウを海外に求め続けている」と指摘する年次報告書をまとめた。ロイター通信が5日、抜粋の内容を報じた。

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 報告書は「核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射は報告されていないが、核分裂物質の生産能力を進展させ続けている」と分析。ミサイル実験は「著しい加速」を見せており、「迅速な展開能力の増大や、(海を含めた)幅広い機動性を示した」と強調した。

 また、サイバー攻撃による暗号資産(仮想通貨)の獲得が「依然として重要な収入源だ」とも明記。北朝鮮が昨年、4億ドル(約460億円)相当近いデジタル資産を手にしたとするサイバーセキュリティー会社が先月公表した報告書も引用した。