ロシアに対する制裁強化で同国の株式と債券が主要な国際的ベンチマークから除外されるリスクが高まっており、投資ファンド業界の大きなセグメントから事実上切り離される恐れがある。

  主要な新興国市場指数を算出するMSCIはロシア制裁による市場への影響を理解するため顧客と協議中だとし、主要株価指数からロシア資産除外に動く可能性はあると説明した。一方、ゴールドマン・サックス・グループは、広くフォローされているJPモルガン・チェースのGBI-EMグローバル・ディバーシファイド指数からロシア債が除外されるリスクを警告した。

  こうした措置が実施されれば、これらの指数をベンチマークとするファンドによるロシア資産購入を阻み、既に大幅下落しているロシア資産の価格をさらに押し下げかねない。主要なロシア株指数は現地通貨建てで今年35%下落し、ロシア国債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)はデフォルト(債務不履行)確率56%を示唆した。ルーブルは2022年に世界の通貨で最悪のパフォーマンス。

  米国と同盟国による制裁強化でロシアはますます孤立。ロシア資産は指数採用に重要な基準となる流動性が大幅に低下している。ロシアは2月28日に株取引を停止したが、外国上場のロシア株は急落した。

  MSCIの指数方針委員会の委員長で指数調査責任者のディミトリス・メラス氏は「ここで重要なのは、当社の指数が投資可能である必要があることだ」と指摘。「ロシア情勢と、市場アクセスの欠如に時宜を得た形で熟慮して対処することに今重点を置いている」と話した。

  JPモルガンは25日の顧客向け資料で、「2022年2月28日のJPモルガンEM指数のリバランスに対し、制裁による即時の影響はない」と説明した。

原題:Russian Stocks, Bonds Face Risk of Ejection From Key Indexes (2)

(抜粋)