[ワシントン 28日 ロイター] – 国際人権団体や駐米ウクライナ大使によると、ロシアはウクライナへの攻撃で、多数の国際団体が人道的観点から使用しないよう求めているクラスター弾と燃料気化爆弾を使った。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は28日、ロシア軍は国際条約で禁止されているクラスター弾を使用したようだと指摘。アムネスティによると、ウクライナ北東部で、民間人が避難していた未就学児向けプレスクールを攻撃するのに使われたという。
マルカロワ駐米ウクライナ大使も同日、米議員向けにブリーフィングを行った後、「ロシアはきょう、ジュネーブ条約で禁止されている燃料気化爆弾を使用した。ロシアがウクライナに与えようとしている打撃は大きい」と記者団に述べた。
燃料気化爆弾は周辺の酸素を使って高温の爆発を起こし、爆風が従来の爆弾に比べてはるかに長い間続く。
米ホワイトハウスのサキ報道官は、燃料気化爆弾に関する報道は承知しているが、使用は確認できていないと述べた。報道が真実であれば、戦争犯罪に該当する可能性があると指摘した。
マルカロワ大使は、バイデン政権と米議会に追加の兵器提供と対ロシア制裁の強化を積極的に働き掛けていると述べた。「ロシアは重い代償を払う必要がある」と強調した。
ブリーフィングに出席したシャーマン下院議員(民主党)は、ウクライナが同国上空で、米国が実施を担う飛行禁止区域の設定を求めたと明かした上で、ロシアとの衝突につながる可能性があるため、危険すぎるとの見方を示した。