不透明感を嫌う米株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを支持する方向だと言明したことを好感し、この日は着実に上昇。S&P500種株価指数は週間でのマイナスを切り詰めました。しかしロシアのウクライナ侵攻による経済的影響について問われたパウエル議長は、「今はまだ分からない」と率直に回答。質疑応答の終盤では、「戦争は世界を一変させる。その影響は極めて長く続く」と述べて、議場のムードに影を落としました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
2回目の交渉へ
ウクライナ政府はロシアとの2回目の交渉を3日に行うと発表した。交渉が行われるポーランドとベラルーシの国境へウクライナ代表団は出発したと、ゼレンスキー大統領の報道官が明らかにした。国連総会の緊急特別会合ではロシアに非難が集中し、ロシアの国際的な孤立が浮き彫りとなった。米政府はロシアからの輸入に制限を課すことを検討している。ロシア国防省は初めて侵攻による死傷者数を発表、同国軍に498人の死者が出たことを明らかにした。ロシア軍の進軍は続き、ウクライナ南部の港湾都市ヘルソンを掌握したと主張している。
より大幅の可能性も
パウエルFRB議長は3月に政策金利を0.25ポイント引き上げ、一連の利上げ局面に入ることを支持すると述べた。インフレが高過ぎる状態が続けば、より大幅な利上げの可能性を閉ざさないとも表明。ただロシアのウクライナ侵攻によって、見通しは不確実だと指摘した。「この環境で適切な金融政策を策定するには、経済は想定外の形で変化するものだと認識する必要がある」とし、「これから出てくるデータや見通しの変化に応じて、機敏に対応する必要があるだろう」と話した。
60%急騰
欧州の天然ガス価格が2日の取引で急上昇し、最高値を更新した。ウクライナ侵攻によってロシアのガス供給に不安が生じたことが背景にある。欧州の指標となっているオランダのガス先物価格は、アムステルダム時間2日午前10時時点では59%高の同193.57ユーロで、今週に入り2倍を超える上昇となっている。ロシアの欧州向けガスは今のところ滞りなく供給が続いているが、ロシア政府が制裁に対して報復し、供給が停止する事態に各国政府は備えている。
デフォルトかどうか
ロシアは2日が支払日のルーブル建て国債について、クーポンを支払う意向だと事情に詳しい関係者が述べた。中央銀行が外国人投資家への送金を禁止したため、外国人が資金を受け取れるかどうかは不確かだという。支払いは予想されていたものの、中銀が今週、外国人によるルーブル建て証券の売却禁止などの措置を取ったことから、ロシア債がデフォルト(債務不履行)したと言えるかどうか投資家は頭を悩ませている。外国人投資家は2月初めの時点で約3兆ルーブル(約2兆9900億円)相当のルーブル建て債を保有している。
市場崩壊
ロシアでは株式市場の閉鎖が続き、外国人投資家への現金支払いが全面的に禁止された。ロンドンやニューヨークのファンドは取引を停止。ロシア関連の金融資産はほぼ凍結された様子だ。ロシア経済の生命線、商品の輸出にも混乱が生じ、ロシア産原油を拒否する買い手も現れた。ロンドン証券取引所で取引されるロシア企業の預託証券は価値がほぼ消滅している。同取引所に上場するロシア主要11企業の預託証券に連動するダウジョーンズ・ロシアGDR指数は、2日の取引で一時81%急落し、過去2週間の下落率は98%に達した。ブルームバーグの試算によると、これらの企業を含むロシア企業23社の時価総額は過去2週間で5720億ドル(約66兆1200億円)減少した。