[東京 23日 ロイター] – 日本の水産庁は23日未明、北海道沖の太平洋で行うサケ・マス漁の漁獲量などを決めるロシアとの交渉が妥結したと発表した。日本側が支払う協力費の引き下げで決着し、5月初旬にも日本側が漁を開始できる見通しという。

例年は10日に漁が解禁されているが、ロシアがウクライナに侵攻した今年は協議開催が11日にずれ込み、交渉も22日までと長引いていた。

交渉はオンライン形式で、日本側は水産庁や外務省、漁業団体の関係者などが、ロシア側は外務省や漁業庁の関係者などが出席した。

日本とロシアは毎年春のサケ・マス漁開始前に操業条件を交渉している。今回の協議は日本の200キロカイリ内分。日本漁船がロシアの川で生まれたサケ・マスを漁獲するには、日本の水域でも漁獲量などをロシアと合意する必要がある。

今回決まった操業条件は、漁獲量の上限が2050トンと前年比横ばい。一方、日本が漁獲量に応じてロシア側に支払う協力費の幅は2億─3億0013万円となり、下限が前年の2億6000万円から引き下げられた2021年の漁獲実績は652トンだった。

協力費は例年、北海道の漁業団体が日本の金融機関を通じてロシア政府に円建てで支払っている。

オンライン形式で会見した水産庁の藤田仁司・資源管理部長は、漁業者に重い負担である協力金を引き下げることができたと強調した。

交渉の時期がずれ込み長期化したことに対する対ロ制裁の影響については、同部長は「交渉は漁業についてのみを協議した」として否定した。

日本は主要7国(G7)と足並みをそろえて国際銀行間通信協会(SWIFT)システムからロシアの一部銀行を排除する制裁措置を採択しているが、日本からロシアへの協力金の支払いについて「問題があれば日ロで調整する」という。

対ロ経済制裁下で日本がロシアに協力金を支払うことについては「いろいろな意見があると思うが、協力金は日ソ漁業協力協定に基づく交渉妥結の結果で、問題があるとは考えられない」と説明。協力費はあくまでロシア側のサケ・マス再生産に必要な資金とした。

サケ・マス交渉の妥結により、北方領土の貝殻島周辺のコンブ漁に関する民間交渉も開始できる可能性があり、水産庁としても「関係者と連携し適切に対応したい」意向だ。