[12日 ロイター] – 中国の魏鳳和国防相は12日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、中米関係は重要な岐路にあり、両国関係の改善は米国の対応次第だと述べた。台湾問題にも言及し、必ず統一を実現すると語った。 

魏氏は、中国は平和と安定のみを追求しており侵略者でないとの主張を数回繰り返し、米国に「結束を強め、対立と分裂に反対」するよう呼びかけた。

11日の同会議ではオースティン米国防長官が登壇し、中国が領有権の主張で威圧的かつ攻撃的になっていると指摘していた。

人民解放軍の将官服姿で講演した魏氏は「米国の中傷、非難、脅迫」を断固拒否するとし「米は中国の内政に干渉するのはやめることだ。そうしない限り、二国間関係は改善されない」と主張した。

今回の会議で主要テーマとなったロシアによるウクライナ侵攻について、中国は和平交渉を支持し「武器の供与や最大限の圧力をかける」ことには反対だと強調した。

「この危機の根本的な原因は何なのか。黒幕は誰か。誰が一番損をするのか、誰が最も得をするのか。誰が平和を推進し、誰が火に油を注いでいるのか。これらの質問の答えは誰もが知っていると思う」と述べた。自らの問いに答えず、中国の立場も明らかにしなかった。

台湾問題については、「台湾は(中国の)省(日本の県に相当)の一つであり、中国の立場に変わりはない」と表明。台湾との「平和的統一」を目指しているが「他の選択肢」も温存していると述べた。

「中国は必ず統一を実現する。中国を分裂させようとして台湾の独立を追求する者は良くない結末を迎える」と述べた。

新型コロナウイルスへの世界的な取り組みに中国は貢献したと主張し、南シナ海の島や礁での開発は平和的なものと説明した。

「大国も小国も、弱者も強者も、みな平等である。われわれは互いを尊重し対等に接するべきだ」と述べた。