[上海 17日 ロイター] – 記録的猛暑が続く中国では電力不足や干ばつが深刻となり、政府が相次ぎ対策を打ち出している。対策の影響で一部製造業が生産停止を迫られ、経済活動にも影響が出ている。

水利省は17日、長江流域の干ばつが「農村部の人々や家畜の飲料水確保、作物の成長に悪影響を及ぼしている」と指摘。干ばつに見舞われた地域を正確に把握し、水の供給維持に向けた対策を講じるよう地元政府に指示した。

三峡ダムは16日、下流の水量を増やすため、今後10日間、放水量を5億立方メートル増やすと表明。

今週の財政省の発表によると、一部の家畜が干ばつ地域から一時的に他の地区に移された。同省は災害援助で3億元(4430万ドル)を交付する方針も示した。

湖北省は17日、ヨウ化銀を雲に発射して雨を降らせる計画を発表した。

四川省は17日、住宅、オフィス、ショッピングモールを対象とする電力制限を開始した。中国では電力不足時には基本的に家庭用・商業用電力の供給を優先し、工業用電力の供給を制限する。四川省の措置は状況の深刻さを示す。

同国では40度以上の気温を記録した気象観測所が262カ所と、過去最高に達した。8カ所が44度を記録している。

猛暑は64日間にわたり、1961年の記録開始以降で最長と国営メディアは報じた。西太平洋の亜熱帯高気圧がアジアの大半に張り出していることが影響しているとオーストラリア連邦科学産業研究機関(CSIRO)の研究員は指摘する。

中国気象当局によると、四川盆地および中部の大部分で高温が8月26日まで続く見込み。