北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、9日までの15日間行われた、朝鮮人民軍の戦術核運用部隊の軍事訓練を視察しました。訓練はアメリカが原子力空母を日本海に展開して日本や韓国と実施した共同訓練に警告するために行われ、キム総書記は「必要な場合はすべての軍事的な対応措置を強力に講じていく」と対決姿勢を強調しました。

10日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」によりますと、9月25日から今月9日まで、朝鮮人民軍の戦術核運用部隊の軍事訓練が行われ、キム・ジョンウン総書記が視察しました。

北朝鮮が戦術核運用部隊の訓練を明らかにしたのは、これが初めてです。

訓練は、アメリカが原子力空母「ロナルド・レーガン」を日本海に展開して日本や韓国と実施した共同訓練に警告するために行われ、7回にわたる弾道ミサイルの発射を通じて核兵器の実戦能力が余すところなく発揮されたとしています。

このうち、10月4日に日本の上空を通過させる形で発射された弾道ミサイルについて「労働新聞」は「新型の地対地中長距離弾道ミサイルが、日本列島を横切って4500キロ先の太平洋上に設定された目標水域を打撃した」と明らかにしました。

紙面には、キム総書記が、日本の上空を通過する形の軌道が表示されたモニターを見つめる姿などを捉えた写真およそ90枚が掲載されています。

視察したキム総書記は「敵の軍事的な動きを鋭く注視し、必要な場合はすべての軍事的な対応措置を強力に講じていく」と述べ、結束して抑止力の強化を図る日米韓3か国への対決姿勢を強調しました。