▽NY市場サマリー(15日)ダウ最高値、ドル下落 利回り1カ月ぶり低水準

<為替> 米国とイランが戦闘終結に向けた覚書(MOU)を交わすことで合意したことを受け、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対し下落した。市場では米連邦準備理事会(FRB)などの主要中銀が週内に開く政策決定会合が注目されている。 FRBは16─17日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を現行の3.5─3.75%に据え置くとの​見方が大勢だが、FOMC声明で緩和バイアスを修正する可能性がある。今回が初めてのFOMCとなるウォーシュFRB議長がFOMC後の記者会見でどの程度タカ派‌的な姿勢を示すかも注目されている。 日銀は15─16日の金融政策決定会合で、政策金利を1%に引き上げるとみられており、予想通りに利上げが決定されれば、政策金利は31年ぶりの高水準になる。ただ、バノックバーンのチャンドラー氏は「日銀の利上げはすでに織り込まれているため、ドル/円相場への直接的な影響は限定される」と予想。同時に、円安が一段と進めば政府・日​銀が為替介入に踏み切る可能性が高まるとの見方も示した。 円は対ドル で0.03%安の160.25円。政府・日銀による為替介入が警戒される水準にとどまってい​る。

NY外為市場:

<債券> 国債利回りが1カ月ぶりの低水準となった。米とイランが戦争終結に向けた合意を発表し、原油価格⁠が下落したことが背景。 ただ、終盤にかけ、利回り低下の勢いは弱まった。16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で金利据え置きが決定されるとの市場の見方は根強​く、それが変わる可能性は低いと投資家が判断したためだ。 10年債利回りは4.4197%と、5月12日以来の低水準を付けた。終盤は1.4ベーシスポイント(bp)低下の4.471%となった。 米WTI先物は終盤、5%超下落して1バレル=80ドル強となり、3月初旬以​来の安値を付けた。ただ、戦争前の65ドル前後の水準は依然として大きく上回っている。 米2年債利回りは2.3bp低下の4.062%となった。 大半のアナリストは、FRBがフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.50─3.75%で据え置き、公式声明から緩和バイアスを削除するとみている。DRWトレーディングのマーケットストラテジスト、ルー・ブライエン氏は「新FRB議長がどう振る舞うか不確実性が大きく、見通しはむしろ不透​明になりそうだ」と語った。

米金融・債券市場:

<株式> 主要株価3指数が3営業日続伸し、ダウ工業株30種は終値で過去最高値を更新、ナスダック総合は3%の大幅高となった。米​国とイランが戦闘終結に向けた覚書に合意したことを好感したほか、これに伴う原油価格の下落でインフレ懸念が後退した。 原油先物が3カ月ぶりの安値に下落したことを‌受け、エネル⁠ギー価格の影響を受けやすい航空会社やクルーズ船運航会社の株価が上昇。一方、エネルギー関連株は下落した。 インフレ懸念が後退しリスク選好が回復したことから、金利に敏感なハイテク株も買われた。 個別銘柄では、12日にナスダック市場に上場した宇宙企業スペースX(SPCX.O), opens new tabが19.6%急伸した。市場では、同社株が好調な滑り出しとなったことに安心感が広がっている。 フィラデルフィア半導体株指数(.SOX), opens new tabは5%超上昇し、過去最高値で取引を終えた。エヌビディア(NVDA.O), opens new tabが3.5%上昇したほか、マイクロン・テクノロ​ジー(MU.O), opens new tabは少なくとも2社の証券会社が目標株価​を大幅に引き上げたことを受けて10.5%急伸⁠した。

米国株式市場:

<金先物> イランと米国が戦争終結の条件で合意したと発表されたことを受け、金相場は3営業日連続で上昇し、1週間ぶりの高値を付けた。スポット金は日本時間午前2時30分時点で2.6%高の1オンス=4327.82ドル。米金先物の清算値は2.7%高の4351.6ドルだった。米​ドル指数は0.2%下落し、ドル建ての金属が他通貨保有者にとって割安となった。

NY貴金属:

<米原油先物> 原油先物は、1バレル​当たり4ドル安と急落し、3カ⁠月ぶり安値で取引を終えた。トランプ米大統領が、米国とイランがイラン戦争の終結とホルムズ海峡の再開を目指す覚書に署名したと表明したことを受けた。 清算値は、北海ブレント先物が4.16ドル(4.76%)安の1バレル=83.17ドル。米WTI先物が4.13ドル(4.87%)安の80.75ドル。両指標とも3月4日以来の安値で取引を終えた。 トランプ大統領は15日、イランとの合意は署名済みであり、合意文書は19日の正⁠式な署名式の​後に公表されると述べた。ホルムズ海峡も全面的に開放されるとした。