[ワシントン 19日 ロイター] – パリ協定に基づく各国の地球温暖化対策は、気温の上昇を抑制するには「全く不十分」な内容ーー非営利団体「世界資源研究所(WRI)」が19日に発表した報告書で指摘した。

2015年の第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定は、194の国と地域に対して、温室効果ガスの国別削減目標(NDC)を示すよう求めている。

報告書によると、9月末までに提出された各国のNDCでは、世界の温室効果ガス排出量を30年までに19年水準からわずか7%削減するに過ぎない。

世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑えるというパリ協定の目標達成に十分と、国連の気候変動に関する政府間パネルが見なしている数値に合わせるには、各国は現行目標を約6倍、少なくとも43%上積みする必要があるという。

WRIのシニアフェローで、報告書を執筆したタリン・フランセン氏はインタビューで「停滞状態にある」とし、新型コロナウイルス流行とそれに伴う経済的苦境が21年以降、温室効果ガスの削減目標を積み上げようという各国の意欲をそいだ可能性があると述べた。