［東京 １５日 ロイター］ – 岸田文雄首相は１５日の衆院予算委員会で、日銀総裁候補に選任した植田和男氏について「国際的にも著名な経済学者であり、理論、実務両面で金融分野に高い見識を有する」と述べ、最適任と判断したと語った。上野賢一郎委員（自民）への答弁。
岸田首相は、金融政策の具体的手法は日銀に委ねられるべきとした上で、「政府・日銀が密接に連携しながら経済・物価情勢に応じて機動的な政策運営を行い、構造的な賃上げを伴う経済成長と、物価安定の目標の持続的、安定的な実現を図っていくべき」との認識を示した。日銀に対しては、引き続き政府との連携のもと、経済・物価・金融情勢を踏まえて適切な金融政策運営が行われることを期待しているとした。
新体制の人選を巡っては「こうした基本的立場を踏まえて、構造的な賃上げを伴う経済成長と、物価安定目標の持続的安定的な実現に向けて取り組む人を念頭に、金融市場に与える影響なども十分注意を払いつつ検討を行った」ことも明らかにした。
また「リーマンショック後は主要国中央銀行のトップとの緊密な連携、内外の市場関係者に対する質の高い発信力、受信力などが格段重要となってきている」との認識も併せて示し、「こういった点も十分考慮して人選を進めた」と説明した。
