[キーウ 20日 ロイター] – バイデン米大統領は20日、ロシアの侵攻開始から1年となるのを前に、ウクライナの首都キーウを電撃訪問した。

バイデン大統領はゼレンスキー大統領と会談、ロシアの戦争を支援するために制裁逃れをしているロシアのエリートや企業に対する追加制裁を今週発表すると述べた。

またウクライナに対する5億ドル相当の追加軍事支援を21日に発表するとし、大砲弾薬、対装甲システム、航空監視レーダーなどで「空爆からウクライナ市民を守ることを支援する」と語った。

米国防総省によると、最大4億6000万ドルの安全保障支援の一部として、高機動ロケット砲システム「ハイマース」(HIMARS)用砲弾と対戦車ミサイル「ジャベリン」を提供する。

バイデン大統領は記者団に、「ウクライナが払った代償は非常に高く、犠牲はあまりにも大きい」と指摘。しかしウクライナが求めている戦闘機には言及しなかったもよう。

戦争開始後初のウクライナ訪問を果たしたバイデン大統領は、必要な限り米国はウクライナを支持するとし、「ウクライナの民主主義、主権、領土保全に対する揺るぎない確約を再確認する」ための訪問だと述べた。

ゼレンスキー大統領は「米大統領がウクライナを訪れるのは15年ぶりで、両国史上で最も重要な訪問」と指摘。「全ウクライナ国民への支援という極めて重要なシグナル」だと述べた。

バイデン氏は演説で、ロシアの攻撃下での勇猛果敢なウクライナを称賛。また副大統領時代にキーウを6回訪問したとした上で「また戻ってくると思っていた」と述べた。

バイデン、ゼレンスキー両氏がキーウ中心部の聖ミハイル黄金ドーム修道院内にいた際、空襲警報が鳴り響いた。ただロシア軍のミサイル攻撃や空爆は報告されていない。

ロシアのプーチン大統領は21日に重要な演説をする予定で、2年目に入る侵攻についての目標を示すとみられている。

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▽バイデン氏のキーウ訪問、出発数時間前にロシアに通知=補佐官<ロイター日本語版>2023年2月21日4:11 午前