• バイデン米大統領が突然ウクライナ訪問、日銀出口戦略の課題とは
  • ロシア兵器メーカー、死亡事故でテスラ調査、ECB利上げ夏終了か
An empty square at St. Michael’s Golden-Domed Monastery in Kyiv, Ukraine, on Thursday, Feb. 24, 2022. Photographer: Ethan Swope/Bloomberg

予定をあらかじめ公にせず、突然報じられる「電撃訪問」。英語ではsurprise visitという表現が一般的です。実際にどれほどのサプライズかという話は別として、電撃という日本語は過去の戦争を連想させます。「電撃戦」という表現は第二次大戦中にドイツ語Blitzkriegの訳語として使い出された(岩波国語辞典)とのこと。稲妻のように素早く強力な不意打ちを与えるという、勇ましい比喩には戦時特有の意図があったのかもしれません。電撃訪問という表現を現代風に言い換えるとすれば、「サプライズ訪問」とするのか、あるいは「突然の訪問」とするのか、悩ましいところです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

ほぼ1年

バイデン米大統領はウクライナを電撃訪問し、首都キーウでゼレンスキー大統領と会談した。ロシアの侵攻開始から間もなく1年が経つウクライナに「揺るぎない支持」を演説で表明し、連帯を演出した。近日中にウクライナ向けに、火砲弾薬や対戦車システムなどさらに5億ドル(約670億円)を支援するとも発表。ロシアの戦争遂行を支援する個人や企業への追加制裁も週内に明らかにするという。ゼレンスキー氏はバイデン氏と長距離兵器について協議したことを明らかにしたが、詳細には触れなかった。

出口戦略

日本銀行の雨宮正佳副総裁は、金融緩和政策からの出口戦略で難しい課題となるのは金融調節の技術よりも「本当に賃金と物価の好循環が始まったかどうかの判断と市場とのコミュニケーションの2つだ」と述べた。衆院予算委員会の分科会で階猛氏(立憲民主)の質問に答えた。出口局面では市場が大きく混乱することなどが懸念されているが、国債残高の圧縮や金利の引き上げなど具体的な「オペレーションの技術については、いろいろ対応のしようがある」と語った。

兵器商人

ロシアの防衛関連企業は国際的な制裁対象となっているにもかかわらず、アラブ首長国連邦(UAE)で開催されている中東最大の兵器見本市「IDEX」に多数出展している。国営ロステックのセルゲイ・チェメゾフ最高経営責任者(CEO)は「実戦状態で性能を試験済みだ」として、「これこそロシア製兵器が持つ競争面での主な強みだ」と述べた。国際的な制裁対象となっているマントゥロフ副首相も出席し、UAEとの昨年の貿易が前年比68%増加したことを称賛したと、国営タス通信が報じた。

死亡事故

18日に米カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアで起きた電気自動車テスラの車の事故について、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)はテスラに追加情報を要請した。消防当局によれば、別の事故に対応するために車線をブロックしていた消防車の一台にテスラ車が突っ込んできた。テスラ車の運転手は現場で死亡が確認されたという。NHTSAは1年半ほど前から、消防車などの緊急対応車両を巻き込む衝突でテスラの自動運転支援システム「オートパイロット」がどのように作動するのか調査している。今回の衝突でオートパイロットが使用されたかどうかは不明。

欧州の夏

欧州中央銀行(ECB)の政策は景気を抑制する姿勢に近づいており、「夏の間にターミナルレート(利上げの最終水準)に到達するとみている」と、政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁が述べた。ドイツ紙ベルゼン・ツァイトゥングとのインタビューで、基調的なインフレ圧力には安定の兆候がいくらか見られるものの、インフレ率は引き続き「過度に高く」、インフレ期待をECBが目標とする2%に確実に抑えるためには追加利上げが正当化されると指摘した。

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