[ワシントン 27日 ロイター] – 日本の宇宙開発スタートアップ企業ispace(アイスペース、本社・東京)は27日、同社の月着陸船が地球から最も離れた地点に到達したと発表した。小さな技術的問題があったものの、4月下旬の月面着陸に向けて順調に進んでいるという。

袴田武史最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、昨年12月に米フロリダ州から打ち上げられた月着陸船「Hakuto-R」ミッション1について、「いくつかの」トラブルに見舞われたものの、その多くは航行中に修復可能で着陸に支障はないと述べた。

成功すれば民間企業による初の月面着陸となる。これまでに着陸を成し遂げたのは米国、ロシア、中国の各政府だけだ。

ミッション1は、アラブ首長国連邦(UAE)が製造した4輪ローバー(月面探査車)「ラシード」と宇宙航空研究開発機構(JAXA)による野球ボールサイズの2輪ローバーを展開する予定だ。

アイスペースはミッション1の中間成果報告を発表。1月20日には地球から最も離れた地点である約137万6000キロに到達したという。

発表ではミッション上のトラブルとして、誘導・航法・制御システムにおける「一時的」な想定外のセンサー問題などを挙げている。