[仁川(韓国) 2日 ロイター] – 日銀の植田和男総裁は2日、欧米の金融システム不安に伴うアジア域内経済の下方リスクについて「他の地域より低いと判断できる」との見方を示した。日中韓ASEAN財務相・中央銀行総裁会議後、共同議長国としての記者会見で語った。

金融情勢を巡り、日中韓ASEAN財務相・中銀総裁は「米国と欧州における最近の銀行セクターの混乱が当地域におよぼす直接的な波及は限定的」とする共同声明を採択。一方、引き続き警戒が必要との認識も共有して閉幕した。

植田総裁は会見で「これからの世界経済の成長率について、この地域の成長への寄与が世界全体の3分の2位を占め、とても強いものであるとの報告がある」と言及。「アジアの金融機関は資本が十分に備えられているし、欧米の問題の金融機関へのエキスポ―ジャーが少ないという点で、ダウンサイドリスクは他の地域よりは限定されている」と述べた。

欧米経済の先行き不透明感に伴う「スピルオーバーは一応、注意しておかなければいけない」との見方も併せて示した。

また、植田日銀総裁は、日中韓ASEAN財務相・中銀総裁会議で中国経済に関し、「足もとはリオープニングで好調だが、少し中長期を見た場合、ジオポリティカルなリスクが深刻に中国経済に影響を及ぼすことによって、経済成長率にマイナスの影響を与え、それが地域全体に悪影響を及ぼすという点には注意が必要との議論があった」ことを明らかにした。

日中韓ASEAN財務相・中銀総裁会議は1997年のアジア通貨危機を踏まえて整備した地域金融協力を拡充していくことでも合意し、2日閉幕した。