[ニューヨーク 2日 ロイター] – トムソン・ロイターが2日発表した第1・四半期決算は、売上高と1株利益が市場予想を上回った。今後、人工知能(AI)への投資を拡大する計画も明らかにした。

調整後の1株利益は0.82ドル。アナリスト予想は0.80ドルだった。総売上高は4%増の17億3800万ドル。法務、税務・会計、企業の主要3部門のオーガニック売上高(買収・売却や為替相場などの影響を除く売上高)は7%増加した。

スティーブ・ハスカー最高経営責任者(CEO)は声明で「マクロ経済を巡る不確実性の高まりを認識しているが、われわれの基調的なビジネスは強靭で、2023年の見通しをおおむね維持している」と述べた。

ただ、保有していた法律業務管理ソフトウェア会社の過半数株売却に伴い、通年の売上高伸び率見通しを4.5─5%から3─3.5%に下方修正した。

ハスカーCEOはさらに、AI関連投資を年間1億ドル(ランレート)とする計画で、今年後半から主力製品に生成AIを組み込む見通しとした。

これとは別に、マイケル・イーストウッドの最高財務責任者(CFO)によると、25年までにM&A(企業の合併・買収)向けに約100億ドルを投じる見通し。

過去3年のM&A向け予算の大半はAI分野に充てられており、今後も同様のトレンドが継続する見通しという。

また、第1・四半期に保有していたLSEG(ロンドン証券取引所グループ)の2450万株を売却し、売却益は23億ドルだった。4月末時点で、トムソン・ロイターが保有するLSEG株は4740万株(50億ドル相当)。

今後の見通しについては「自信を強めている」としつつも、高金利や地政学的リスクから「世界経済環境の悪化を示唆する多くの兆候」があると指摘した。