[マイアミ 13日 ロイター] – 機密文書持ち出しなどを巡り起訴されたトランプ前米大統領は13日、フロリダ州マイアミの連邦地方裁判所に出廷し、罪状認否で起訴された37件の罪状全てについて無罪を主張した。トランプ氏は保釈金を支払うことなく、旅行規制などの条件なしに釈放された。ただ、証人候補と連絡を取ることは許されないという。

トランプ氏とともに起訴された付き人のウォルト・ナウタ氏も出廷したが、弁護士が付いていなかったため、今月27日まで罪状認否は行われないという。同氏も保釈金を支払うことなく釈放された。

地裁周辺に集まった支持者らはトランプ氏の車列に向け「ウィ・ラブ・トランプ(We love Trump)」と叫んだ。

当局は2021年1月6日に起きた議会議事堂襲撃事件を念頭に裁判所周辺で厳重な警戒に当たっていたが、マイアミ市のフランシス・スアレス市長によると、治安上の問題はなかった。

トランプ氏は出廷後に立ち寄ったキューバレストランで支持者に対し、米国は「腐敗し衰退している。政府は制御不能だ」などと述べた。激戦州フロリダのキューバ系米国人コミュニティーは共和党の実質的な票田だ。

トランプ氏はその後、プライベートジェットでニュージャージー州にある自身のゴルフ場に戻った。ここでも支持者を前に演説する予定。

トランプ氏は先週、機密文書持ち出しや無許可保持、司法妨害など37件の罪状で起訴された。49ページにおよぶ起訴状によると、同氏が保持していた機密文書には、国内外の防衛・兵器能力に関する情報のほか、米国の核開発計画、軍事攻撃に対する米国と同盟国の潜在的な脆弱性、他国からの攻撃に対する報復計画に関する情報も含まれていた。

専門家によると、証拠の取り扱い上の複雑さやトランプ氏の弁護士による駆け引きなどにより、裁判が1年以上遅れる可能性があるという。

トランプ氏は自由に選挙活動ができ、有罪が確定しても大統領に就任する可能性がある。