[ロンドン 22日 ロイター] – イングランド銀行(英中央銀行)は22日、政策金利を4.5%から5.0%に引き上げた。利上げ幅は市場予想を上回った。インフレ率が低下するのに時間がかかることを示唆する「重要な」ニュースがあったと指摘した。 

7対2の賛成多数で決定した。50ベーシスポイント(bp)の利上げは2月以来で、政策金利は2008年以来の水準となった。

ベイリー総裁は「経済は予想より好調だがインフレ率が依然高すぎてそれに対処する必要があった」とし、今利上げしなければ後々情勢が悪化する可能性があると指摘した。

また、今回の利上げはインフレ抑制のために「絶対に必要」だったと指摘。「われわれは景気後退を引き起こそうとはしていない」とし、「中銀は景気後退を期待しているわけでも、望んでいるわけでもない。インフレ率を目標に引き下げるために必要なことを行っていく」と述べた。

この日の政策発表まで、金融政策委員は0.5%利上げが俎上にあることはにおわせなかった。発表直前、首相官邸は、スナク首相がベイリー総裁を支持していると表明。ハント財務相も、英中銀への全面的な支持を表明し、「たゆまぬインフレ対応を喫緊の最優先事項としなければならない」と述べた。

金融政策委員会(MPC)は「最近のデータにはインフレのプロセスがより長期間持続することを示す重要な上振れ要因が見られる」とし、「外的なコストショックによって生じた国内物価と賃金の二次的効果は、発生した時よりも解消するのに時間がかかる公算が大きい」と予想した。

テンレイロ、ディングラ両委員が利上げに反対した。過去の引き締めの影響はまだ多くが表れておらず、インフレ率と賃金上昇率の急低下を先行指標は示唆していると主張した。

ロイターがまとめたエコノミスト調査では4.75%への引き上げが予想されていた。しかし前日発表された5月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて、22日の金融市場では5%への利上げ確率が50%近くに達していた。

MUFGのシニア・エコノミスト、ヘンリー・クック氏は「英中銀は米連邦準備理事会(FRB)のように利上げサイクルの一時停止を示そうとしていない」と指摘。

HSBCアセット・マネジメントのグローバル・チーフ・ストラテジスト、ジョセフ・リトル氏は、英国は生活費高騰のみならず人手不足や賃金の急上昇にも見舞われ、先進国の中で最も状況が悪いと指摘し、「きょうの中銀の声明を受け、政策金利の最終到達水準が大幅に高くなり、6%になる恐れもある」と述べた。

先進国の中でも英国経済は新型コロナウイルス禍前への回復が鈍く、英中銀の先月の予測で、今年の成長率は0.25%にとどまる。

政策ガイダンスは「一段と持続的な圧力が示されれば、金融政策のさらなる引き締めが必要になる」とし従来の見解を踏襲した。

また短期国債利回りが大幅に上昇し、向こう3年の平均政策金利予想が5.5%に切り上がったと指摘した。利上げが住宅ローン金利や賃貸料に及ぼす影響を注視するとした。