恥っさらし。これは記事を読んだ率直な感想だ。プーチンはロシアのジャーナリスト、パーベル・ザルビン氏のインタビューに応じた。ロイターが6日早朝にその内容を配信している。「西側諸国は『ナチズム賛美』を隠蔽するために、ユダヤ人であるゼレンスキー氏をウクライナ大統領に据えた」。これがウクライナ解放を目指すプーチンの薄っぺらな“正義感”というわけだ。「西側諸国はこうして、現代ウクライナ国家の根底にある反人間的な本質を隠ぺいしようとしているように見える」。空いた口が塞がらない。ブチャをはじめウクライナ国内で行った数々の戦争犯罪は、プーチンが指示したものだ。国際刑事裁判所(ICC)はプーチンに逮捕状を出している。罪状は戦争犯罪。占領したウクライナから多くの子どもをロシアへ不法に拉致した。これこそがプーチンの「反人間的な本質」ではないか。

「ウクライナでは150万人がホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲になったが、一時的にウクライナでホロコーストを主導した勢力をユダヤ人が隠ぺいしようとしていることで、全体的な状況が強い嫌悪感をもよおさせるものになっている」。何を言っているのだ?150万人が犠牲になったホロコーストを主導した勢力を、ウクライナ人が隠蔽しようとしている?その代表がユダヤ人であるゼレンスキー大統領というわけだ。「ユダヤ人を虐殺した勢力を、ユダヤ人が隠蔽しようとしている」、だから「全体的な状況が強い嫌悪感をもよおさせる」だと。精神鑑定を受ければプーチンは明らかに「心神喪失」状態だろう。歴史的事実を認識する能力が完全に欠落している。そんな人が1億4645万人(2023年1月1日現在)の国民の上に君臨し、独裁的に権力を行使している。これはロシア国民にとっても悲劇だ。

ロイターはウクライナ侵攻を正当化するためにプーチンは、ウクライナの指導者がウクライナ国内の数百万人のロシア語話者を「ネオナチズム」に基づき「大量虐殺」していると非難してきた、と指摘する。ロシア語話者に対するホロコースを実施しているのがゼレンスキー大統領というわけだ。ここまでくると、なにをかいわんやだ。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はこの発言について、「他国の国民に対する集団的な犯罪を醜悪なうそで正当化しようとすることに嫌悪感を覚える」と反論した。うそで固めたプーチンの嫌悪感に対する嫌悪感だ。これこそが“正当”な嫌悪感だ。証拠も示さず、嘘のロジックを嘯くプーチン。ウクライナ人の悲劇を見るのは忍びないが、心神喪失の大統領が長年トップに君臨しているロシア国民も救われない気がする。