先週の水曜日(24日)にロシア軍の輸送機イリューシン(IL)76機が、ウクライナとの西部国境近くのベルゴロド州で撃墜さされた。ロシア側の情報によると地対空ミサイルによるもので、この軍用機には人質交換にむかっていたウクライナ軍兵士65人と、ロアシア軍の関係者9人の合計74人が登場していた。ロシア側は全員の死亡が確認されたと発表している。この墜落をめぐって様々な情報がメディアで流れている。ロイターは撃墜された翌日(25日)に「ロシアの有力議員は、西部ベルゴロド州で捕虜のウクライナ兵士を乗せて墜落したロシア軍輸送機について、現場空域に入る15分前にウクライナ軍情報機関に通告していた」と主張している。これに対してウクライナ側は、「事前通告を受けていない」と主張、いつものことながら双方の主張は真っ向から対立している。

ウクライナ軍情報機関のアンドリー・ユソフ報道官は、ロイターに対して「これまでの捕虜交換前の慣例に反し、ロシアから事前に攻撃を控えるよう要請がなかった」と指摘。「残骸や搭乗者の存在を証明するものは何も示されていない」と述べている。ロシアの要請に基づいて開催された国連の安全保障理事会は、「国連が墜落の経緯を検証する立場にはないと述べ、全ての当事者に紛争を悪化させる言動を控えるよう呼びかけた」(ロイター)とある。真相は今回も藪の中だろう。こうした中でロシア側は25日に連邦捜査委員会を招集し、「墜落した輸送機がウクライナ製の地対空ミサイルで撃墜された」と発表している。ロイターによると墜落現場を検証できるのはロシアだけ。ウクライナや第3国がはいった調査団が結成されるわけではない。現場の状況を確認できるのはロシアだけ。国営タス通信は「フライトレコーダー(飛行記録装置)を回収し、モスクワで解析される」と報じているようだ。

こうした中でプーチンは26日、「同機はウクライナの防空システムによって撃墜された」と断定した。「故意か過失かは分からないとしながらも、犯罪に値する」との考えを示したという。誠に勝手な言い分だ。ロシア以外の国が調べようがないことを承知の上で、言いたい放題という印象を受ける。ロシア連邦捜査委員会はこれに先立ち、「墜落現場でウクライナの身分証明書のほか、タトゥー(入れ墨)が入った遺体の一部が回収された」と明らかにした。わざわざ「タトゥーが入った遺体」と付け加えた意味はなんだろ。ウクライナはこの時点で同機の撃墜を巡り肯定も否定もしていない。搭乗者などを巡るロシアの説明に異議を表明しているだけ。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、プーチン大統領の発言について「典型的な偽情報だ」としている。個人的にはロシア並びにプーチンの発言は信用できないと思っているが、果たして真相やいかに。

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