トランプ関税が昨日の午後1時に実施された。日本に対する相互関税は15%。従来の25%から引き下げられたものの、5500億ドル(約81兆円)の投資と引き換えの引き下げだった。挙げ句の果てに15%の解釈をめぐって日米の見解が分かれている。赤沢担当大臣は早速渡米してベッセント財務長官、ラトニック商務長官に解釈の訂正を申し入れる始末。昨日、石破総理は「日米の間に解釈の齟齬はない」と説明。速やかに訂正を行うよう申し入れたと力説した。現時点でこの申し入れが受け入れられたのかどうか、正確な情報はない。いずれにしてもこれだけ大事な合意の解釈が分かれるというのは異常だ。国会での論戦で石破総理、赤沢大臣とも合意文書がないと野党に厳しく追求された。それに対する答弁は「税率の引き下げを優先した」というもの。その結果だろう。解釈に大きな食い違いが生じている。
今日の日経新聞に東京財団政策研究所主席研究員の柯隆氏がコメントを寄せている。「共同文書を作るべきだったが、それには間に合わないにしても、15%の相互関税と15%の上乗せ関税の英語の表現の違いぐらい分かるだろう。大臣だけでなく、そのサポート体制はどうなっているのか。英語の通訳なら、これぐらいの違いを見抜いて訳さないといけない。これは日本側の勘違いか、それともベッセントチームに騙されたのか。二国間交渉でこんな低レベルの失敗は歴史的にみても珍事といわざるを得ない」と述べている。「低レベルの失敗」という表現が、石破・赤沢ラインの交渉能力のなさを示している。高級官僚が何人も随伴しているはず。優秀な彼らはなぜ何も語らないのか。もう一人、みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部プリンシパルの小野亮氏は次のように批判する。
「閣僚を説得できても最終決定者はトランプ大統領。大統領執務室で『あの5500億ドルはどうなっている?いつ出せる?』と聞かれたら、日本の交渉チームはどう答えるのか。関税率の修正よりも、そちらの方が重い課題のように思う。なぜなら米国側は、5500億ドルで15%の権利を日本が買ったという認識だからだ。『支払いがまだなら、15%どころか24%に戻す』とすら言われかねない」。これは批判ではない。誰もがそう考えている。「相互関税」か「上乗せ関税」かもわからないまま、日本経済の命運を左右しかねない“日米合意”を推進した石破・赤沢ライン。「win-win目指して粘り強く交渉する」と豪語していた石破総理、「税率の引き下げに注力した」と胸を張る赤沢氏。日本の外交交渉に消えることのない“汚点”を残したことになる。それでも「続投」にこだわる石破総理、歴史はこの人にどんな評価を下すのだろうか・・・。