高市総理に対する批判が国内の主要メディアだけでなく、海外メディアにも波及した。今朝Bloombergの記事を見て驚いた。高市氏が多用するSNSへの投稿が「逃げ恥」だと批判しているのだ。タイトルは「SNS駆使の高市首相、失言回避の『逃げ恥』戦略の見方も-就任から半年」。中身を読むと「高市早苗首相は就任から半年間、X(旧ツイッター)を使った情報発信を重視してきた。トランプ米大統領と似た手法だが、野党からは失言を避け、高支持率を維持するための『逃げ恥』戦略との見方も出ている」とある。「逃げ恥」ときた。民放テレビ局で人気を博したドラマからの引用だが、これをタイトルにとれば一般的には「逃げている感」が強く滲む。国内のオールドメディアからは記者団への取材対応や、国会での発言回数が多くはないと批判され続けている高市氏だ。これにSNSへの投稿回数の多さが加われば、一般的には「逃げてる感」が増す。

一種の印象操作だ。「議員との意思疎通がない」「夜の会合を拒否している」「官邸に閉じこもって資料を読んでいる」など、国内オールドメディアの批判は総理としての前例がない高市氏の「行動変容」を問題にしている。これに海外メディアのSNS批判が加わった形だ。テレビ局出身で国民民主党の伊藤参院議員は、高市氏の情報発信のやり方を「逃げ恥戦略だ」と分析する。記事のタイトルはこの発言がベースになっている。伊藤氏は国民民主党のメディア対策を一手に取り仕切っている。人気の参院議員だ。ちなみに「逃げ恥」というのは、ハンガリー語のことわざ「逃げるは恥だが役に立つ」が語源だとある。逃げることは一時的には恥だが長期的には得策だという意味があるそうだ。高市氏の「責任ある積極財政」、その効果は短期的には実現は難しい。高市氏は語源に倣って長期的な利益を目指しているのかもしれない。

とはいえ、足元では自民党内をはじめ野党、主要メディアなどの間で多くの批判が渦巻いている。個人的に高市氏を知っているわけではないし、重要なのは総理としての対応はどうであれ政策だと思っている。主要メディアの苦言・諫言・小言の特徴は、政策批判が全くないことだ。おそらく批判した途端に「失われた30年はなんだったのか」と反論されることを恐れているのだろう。高市氏の政策は政官財界やメディア業界、学者、コメンテーターなど日本を牛耳る主流派の中では、いまだに圧倒的な少数派だ。そこに海外メディアも加わったわけで、この政権の先行きが気になる。ただ、Bloombergの名誉のために付言すると、同通信社はこの日「『サナエノミクス』実行の時、財政巡る新たな視点構築できるか」というコラムを配信している。積極財政の中身をよく勉強し、理解している記事だ。そういった点で海外メディアの方が、批判一方の国内主要メディアよりマシかもしれない。逃げているのは高市氏か主要メディアか、どっちだろうか・・・。