• ガソリン支出は15.5%増加、燃料価格が2022年以来の高水準
  • 13項目ほぼ全てが増加、確定申告終了で一時的効果が弱まるとの声も
ニューヨーク市内のガソリンスタンド
ニューヨーク市内のガソリンスタンドPhotographer: Victor J. Blue/Bloomberg

Julia Fanzeres

3月の米小売売上高は過去1年で最大の伸びを示した。イラン戦争をきっかけとしたガソリン価格の急騰にもかかわらず、消費者が幅広い分野で支出を続けたことを示唆している。

キーポイント
米小売売上高は前月比1.7%増
市場予想の中央値は1.4%増
前月は0.7%増(速報値0.6%増)に上方修正
データはインフレ調整を加えていない

  ガソリン支出は15.5%増加と、記録的な伸びを示した。家具や家電、総合小売りに至るまで、13項目のほぼ全てが増加した。

  今回の統計は、ガソリン価格の急騰にもかかわらず、消費支出が底堅さを維持したことを示している。この強さは、ここ数週間で通常より多額の税還付が家計の銀行口座に流入したことを反映している可能性が高い。その結果、30日に発表される第1四半期の国内総生産(GDP)速報値の予想は上方修正される可能性がある。

  もっとも、確定申告のシーズン終盤を迎える中で、この押し上げ効果は一時的にとどまる可能性があるとエコノミストは警告している。燃料費は高止まりし、雇用の伸びも鈍い状況が続いているためだ。

  ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのチーフエコノミスト、ヘザー・ロング氏はリポートで「全体として、米国の消費者は依然として健全だ」と指摘。「税還付による臨時収入が、多くの家計が今回の石油ショックを乗り切る一助となっているが、この余剰資金は永遠に続くわけではない」と述べた。

  ガソリンスタンドを除く小売売上高は0.6%増加自動車販売は0.5%増加した。唯一のサービス部門である飲食店の売り上げは0.1%増加した。

  ブルームバーグ・エコノミクスのイライザ・ウィンガー氏は「イラン戦争に伴うガソリン価格の上昇が、3月の小売売上高の全体的な伸びを押し上げた。消費者が予算のより多くをエネルギーに振り向けざるを得ない状況でも、全体の需要は予想以上に持ちこたえたが、これは税還付の増加や高所得世帯の底堅さを反映している可能性が高い。ただし、インフレを考慮に入れると状況はそれほど楽観的ではない」と語った。

  高頻度のカード利用データは、ここ数週間でまちまちな状況を示している。PNCファイナンシャル・サービシズ・グループやバンク・オブ・アメリカ・インスティテュートの報告では、旅行や家電といった裁量的分野での支出の強さが指摘された。一方、ビザの支出モメンタム指数は、ガソリンを除くと、裁量的・非裁量的および外食分野にわたる支出が減少したことを示唆した。

  GDP算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は0.7%増加し、昨年8月以来の高い伸びとなった。

  統計の詳細はをご覧ください。

原題:US Retail Sales Surge by Most in a Year in Broad Advance (2)(抜粋)