- ホワイトハウス報道官、停戦が最長5日程度にとどまるとの報道否定
- イラン武装ボート、ホルムズ海峡で船舶2隻に発砲-拿捕の報道も

Courtney Subramanian、Jennifer A Dlouhy、Arsalan Shahla
米国とイランは新たな和平協議が実現せず、ホルムズ海峡の支配を巡る対立を強めている。停戦期間が延長される中、海峡の封鎖を材料にした駆け引きが続いている。
トランプ米大統領は21日、イランとの停戦を無期限に延長すると表明。イランが新たな和平案を提示し、「協議が何らかの形で決着する」まで停戦を延長するとした。一方、イラン側は当面、協議に参加する予定はないとしている。
米国とイランの和平協議は21日にパキスタンで再開する予定だった。バンス米副大統領は協議再開に向けて同国を訪問する予定だったが、イラン側は米国の要求が不合理だとして出席を拒否していた。
ホワイトハウスのレビット報道官は記者団に対し、トランプ氏は「イラン側から提案を受け取るための明確な期限を設定していない」と説明した。
米国はイランの港に出入りする船舶に対する海上封鎖を維持し、イランへの圧力を強めている。これについて、イランのアラグチ外相は停戦違反に当たると批判した。また、イランのペゼシュキアン大統領は投稿で、イランは対話を歓迎するものの、「封鎖と威嚇が(外交の)主な障害になっている」と指摘した。
一方でイランもホルムズ海峡の事実上の封鎖を続けている。同国の武装ボートは22日、ホルムズ海峡で2隻の船舶に発砲した。トランプ氏はイラン海軍が壊滅したとしているものの、小型ボートを用いた商船への攻撃能力が依然として脅威であることが示された。
トランプ氏による停戦期間の再延長は、22日の期限までに合意に至らなければイランへの爆撃を再開するとの威嚇姿勢から一歩後退したことを意味する。爆撃が再開されれば、エネルギー価格を急騰させた戦争が再び激化する恐れがあった。
米国防総省は、フェラン海軍長官が辞任したと発表した。理由は明らかにしなかった。今月初めにジョージ陸軍参謀総長が退任を求められて以来、イラン戦争開始後の国防総省高官の離職はこれで2人目となる。こうした動きは、ヘグセス国防長官の下で進む軍上層部の大規模な人事刷新の一環だ。ヘグセス氏は、省内の組織文化や幹部人事の抜本的な見直しを推し進めている。
22日の原油相場は3日続伸し、北海ブレント先物は1バレル=101ドルを上回った。米国のガソリン価格も約4年ぶりの高水準に達しており、トランプ政権にとって紛争解決への圧力となっている。
ただ、ホルムズ海峡が近く再開される兆しは依然として見られず、エネルギー供給不足による世界的なインフレ危機への懸念は強まっている。戦争前には、世界の石油と液化天然ガス(LNG)のおよそ2割が同海峡を通過していた。

Trump Extends Iran Ceasefire Until Talks Conclude2:18トランプ米大統領は21日、イランとの停戦を無期限に延長すると表明
トランプ氏は停戦延長の必要性について、イラン指導部内の対立に原因があると指摘している。FOXニュースは22日、停戦は最長でも5日程度にとどまる可能性があると報じた。ただ、レビット氏はこれを否定。報道は「事実ではない」とし、「大統領自身が期限を設定したことはない。最終的に日程を決めるのは大統領だ」と述べた。
イランは、米国による海上封鎖が解除されない限り、ホルムズ海峡を開通させることはなく、和平協議にも参加しないとしている。
イランのイラバニ国連大使は22日朝、記者団に対し、「彼らがこの封鎖を解除する用意があることを示すシグナルを受け取った」と述べた。ただ、詳細には触れなかった。
ホルムズ海峡問題以外でも、イランの核・ミサイル開発の扱いや、中東各地の親イラン武装勢力への支援といった長期的な課題を巡り、双方の隔たりは依然として大きい。
トランプ氏は22日、SNSへの投稿で、抗議した女性8人の処刑を見送るよう求めた自身の呼び掛けにイランが応じたと明らかにした。そのうち4人は即時釈放され、残る4人は禁錮1月の判決を受けるとした。「イランとその指導者が私の要請を尊重したことに深く感謝する」と投稿した。
イランは、米国による海上封鎖が解除されるまで和平交渉に応じない方針だ。イラン国営テレビは22日、同国は現地情勢を注視しており、さらなる脅威に対しては軍が「包括的かつ断固とした防衛」を行う準備が整っていると伝えた。
ホルムズ海峡で複数の攻撃
ホルムズ海峡では22日、複数の船舶攻撃が報告された。
英海事貿易機関(UKMTO)は、貨物船とコンテナ船が同海域でイラン側の攻撃を受けたとX(旧ツイッター)で明らかにした。
また、イラン国営テレビは22日、革命防衛隊(IRGC)が「ホルムズ海峡からひそかに出ようとした」として、MSCフランチェスカと「エパミノデス」と特定される別の船舶を拿捕(だほ)したと報じた。
一方で今週、満載状態のイランのタンカー少なくとも2隻が米海軍の封鎖を通過。米国によるイラン産原油の輸出抑制の限界が示された。
ボルテクサのデータによると、少なくとも34隻のイラン関連タンカーやガス輸送船が、ホルムズ海峡と米国の封鎖ラインを通過した。
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一方、イスラエルとレバノンは23日にワシントンで直接協議を再開する見通しだ。国務省当局者によると、トランプ氏の盟友であるハッカビー駐イスラエル米大使が出席する見込み。
イスラエルが親イラン民兵組織ヒズボラとの戦闘を続けるレバノンで紛争が長期化すれば、イラン戦争終結を目指す取り組みは損なわれる恐れがある。
トランプ氏は16日、イスラエルとレバノンの10日間の停戦を発表した。ヒズボラは正式には交渉の当事者ではないが、停戦はおおむね維持されている。
米国およびイラン当局者によると、IRGCの上層部を含むイランの政府・軍指導者の一部は、封鎖継続をトランプ政権への不信の表れと受け止めている。IRGCのバヒディ司令官も強硬路線を主張する一人とされ、交渉姿勢の硬化を求めているという。
原題:US Says No Deadline for Iran Proposal Amid Hormuz Standoff (1)(抜粋)