- 3月上旬にサウジで原油200万バレル積載、5月中旬に日本到着の報道
- 米国のイラン海上封鎖後、大型タンカーの通航試みは極めてまれ

日本関連の超大型原油タンカー(VLCC)が28日、積み荷のある状態でホルムズ海峡を通過したもようだ。日本関連の原油タンカーがペルシャ湾を離れるのは、イラン戦争開始後で初めてとみられる。
追跡データによると、出光興産の大型石油タンカー「出光丸」は27日遅く、1週間以上停泊していたアブダビ北西沖から海峡に向けて航行を開始した。その後、ケシュム島やララク島付近のイラン当局が承認した北側ルートをたどり、海峡を通過したことがデータで示されている。同船は3月上旬、サウジアラビアのジュアイマ積出港で積載した200万バレルの原油を運んでいる。
朝日新聞によれば、同タンカーは日本に向かっており、通過を巡るイラン側との交渉には日本政府が関わったという。日本経済新聞は「日本政府が交渉していた成果だ。通航料は払っていない」との政府高官の発言を伝えた。目的地には5月中旬にも到着する見通しだという。

出光丸は2007年建造のパナマ船籍で、2月下旬に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始する数日前、ペルシャ湾に入っていた。出光丸は出光興産のタンカー部門・出光タンカーが所有しているとされ、現在は通常、まだ買い手や目的地が確定していないことを示す「フォー・オーダーズ」の信号を発しているという。
出光興産の広報は、安全上の理由から個別船舶の状況についてはコメントできないとしている。
現在のホルムズ海峡では、トランスポンダー(自動応答装置)を停止している船がいたり、信号が妨害されたりする可能性があるため、すべての通航の正確な把握は難しい。
日本関連のタンカーによる通航の試みは、慎重な姿勢で知られる日本の精製業者や船主の方針転換を意味する可能性がある。また、米国が2週間前にイランの港湾で独自の海上封鎖を開始して以降、この規模の大型タンカーが通航を試みるのは極めてまれだ。
日本は中東産原油への依存度が高いものの、戦争下で船主は慎重な対応を取ってきた。出光興産を含む精製会社は、ペルシャ湾の外で行われる船舶間輸送(STS)によって原油の一部を調達してきたほか、小型タンカーを使った米国からの代替調達にも動いている。
原題:Japanese Crude Supertanker Manages Hormuz Exit in War First (2)(抜粋)