高市首相は29日、東京都内で開かれた連合主催のメーデー中央大会に出席し、「賃上げ環境整備に万全を期す」と訴えた。現職首相の出席は4年連続となる。連合との距離は、石破、岸田両首相時代と比べて広がっており、連合や国民民主党との関係を修復する狙いがあるとみられる。

 首相はあいさつで、「物価上昇を上回る継続的な賃上げのため、協力をお願いする」と呼びかけた。給付付き税額控除の制度設計の検討を加速させる考えも示し、「中・低所得者の負担を軽減する」と強調した。

 一方、連合の芳野友子会長は、首相が意欲を示す裁量労働制の見直しを取り上げ、「長時間労働になるだけだ。拡充は不要だ」とくぎを刺した。芳野氏は選択的夫婦別姓制度を巡っても、旧姓使用の法制化を進める高市政権に異論を唱えており、自民党は党大会に芳野氏を招待しなかった。

 連合が支援する国民民主の玉木代表と首相との関係も悪化しているが、与党は参院では少数のままだ。自民内では「政権運営をスムーズに行うには、連合や国民民主の協力は必要だ」(幹部)との声は根強い。芳野氏は大会後、記者団に首相の出席を評価し、「今後も政策実現に向けて政府と連携したい」と語った。