• イラン経済は崩壊しつつあり、海上封鎖は非常に効果的-トランプ氏
  • 敵対勢力によるホルムズ海峡悪用の試みを叩き潰す-モジタバ師
アラビア海で哨戒活動を行う米軍艦
アラビア海で哨戒活動を行う米軍艦Source: US Navy/Getty Images

Patrick SykesEltaf NajafizadaOmar Tamo

トランプ米大統領は30日、イランの港湾に対する海上封鎖を維持する方針を示した。海上輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖が長引くとの懸念から、原油価格はイラン戦争開始後の高値をつけたが、トランプ氏はイランに対する経済的な圧力を強める姿勢を鮮明にした。

  「イラン経済は崩壊しつつあり、海上封鎖は非常に効果的だ。イラン経済はひどい状況にある。どれだけ持ちこたえるか見てみよう」と、ホワイトハウスで記者団に述べた。

  ブレント先物6月限はこの日、一時126ドルを上回り、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後以来の高値を付けていた。その後は3%余り下落し、1バレル=114.01ドルで取引を終えた。ただ、今週の上昇率は8%を超えている。

  市場は戦闘再開の可能性やホルムズ海峡封鎖の長期化を織り込んでいる。2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以降、同海峡は実質封鎖されたままだ。

  また米国各地のガソリン価格も急上昇している。全米平均は新たな高値を付け、カリフォルニア州では小売ガソリン価格が1ガロン=6ドルを超えて値上がり。こうした動きは、中間選挙を控えるトランプ氏の共和党にとって懸念材料となりつつある。

  だが、トランプ氏は「ガソリン価格は下がる。戦争が終わればすぐに急落する」と述べた。 

Iran
テヘランの街角、新最高指導者を描いた幕がビルに取り付けられているPhotographer: Atta Kenare/AFP/Getty Images

  一方、イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師は同日、異例の声明を発表し、同国の核およびミサイル技術を放棄しないと誓うとともに、ホルムズ海峡の支配を維持すると宣言した。

  イランは自国の国境と同じように「先進技術」を「防衛する」と、ハメネイ師は書面の声明で述べた。「ペルシャ湾地域の安全を確保し、敵対勢力によるホルムズ海峡悪用の試みを叩き潰す」と続けた。

  モジタバ師は米国・イスラエルによる攻撃初日の2月28日に殺害された父アリ・ハメネイ師を継いで、最高指導者に就任した。モジタバ師はそれ以降、公の場に姿を見せていない。父と同じ空爆で重傷を負ったとの報道も複数ある。

  またイランのペゼシュキアン大統領はこの日、米国の海上封鎖は「軍事作戦の延長」に当たり、「容認できない」との認識を示した。ソーシャルメディアへの投稿で述べた。

  一方、トランプ米大統領はこの日、どのような選択肢があるかについて、米軍司令官らから説明を受けることになっていると、アクシオスが匿名の関係者を引用して報じた。中東の米軍を管轄する中央軍は、交渉の行き詰まりを打開するための短期的な攻撃計画を準備しているという。

  ブルームバーグ・エコノミクスのベッカ・ワッサー、クリス・ケネディ両アナリストは「トランプ氏はイラン戦争の終結を望んでいるが、イランが提示した条件での終結は望まない」と指摘。「従って現在では、より良い条件を引き出すための圧力を強めるかどうかではなく、いつ、どのように圧力を強めるのが問題だと示唆される。行動が起こされる期間としては、今後2週間以内が最も可能性が高く、米国による攻撃再開が最もありそうな筋書きだ」と分析した。

原題:Trump Says Iran Blockade Working After Oil Hits Wartime High (1)(抜粋)