• WTI原油は101ドルに下落、米・イラン交渉は行き詰まりも決裂せず
  • ISM製造業指数が2022年以来の高水準、仕入れ価格は4年ぶりの高さ
S&P500種株価指数は連日で最高値更新の勢い
S&P500種株価指数は連日で最高値更新の勢いPhotographer: Michael Nagle/Bloomberg

1日の米株式市場では、S&P500種株価指数が続伸し、連日で過去最高値を更新した。イラン戦争の終結に向けた合意への期待から、買いが優勢になった。堅調な企業業績と経済統計も支援材料となり、週間では5週連続で上昇、2024年以降で最長の連続高となった。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数7230.1221.110.29%
ダウ工業株30種平均49499.27-152.87-0.31%
ナスダック総合指数25114.44222.130.89%

  アップルが堅調な見通しを示したことを受け、テクノロジー株が上げを主導した。中東での戦争終結に向けた米国の新たな修正案にイランが回答したとの報道に反応し、米国産原油は1バレル=102ドル前後まで下落した。

US Stocks Rise As Venezuela ‘Spillover’ Seen Muted
株は上昇、原油は下落出典:ブルームバーグ

  国営イラン通信(IRNA)によると、イランは米国が拡張主義的な姿勢や威圧的な言辞、挑発的な行動を放棄するのであれば、外交努力を継続する用意があると、アラグチ外相が地域の関係国と行った電話会談で明らかにした。

  トランプ大統領はイランが合意を望んでいるとの認識を示す一方で、「満足していない」と述べた。記者団に対し、イランは「私が同意できないことを求めている」と指摘しつつ、「人道的な観点からは」さらなる攻撃命令は出したくないと付け加えた。

  セブンズ・リポートのトム・エッセイ氏は「米国とイランの情勢は単純に、いかなる停戦合意も市場にとってプラス材料となる一方、攻撃が再開されれば大きなマイナス要因になる」と述べた。

  米供給管理協会(ISM)が発表した4月の米製造業総合景況指数は2022年以来の高水準となり、株価の強材料となった。

  米金融当局者3人は今週の連邦公開市場委員会(FOMC)声明に反対した理由について、次の政策変更が依然として利下げとなる可能性を示唆するのは、もはや適切ではないと判断したためだと説明した。

  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「FOMCは経済の推移に応じて、次の金利変更が利下げにも利上げにもなり得ることを示す政策見通しを提示すべきだと考える」との論考を公表した。クリーブランド連銀のハマック総裁は、原油価格の上昇が広範なインフレ圧力を強めていると指摘した。ダラス連銀のローガン総裁は、インフレ率を目標に戻すまでにどれほど時間がかかるのか懸念を示した。

  戦争が経済に与える潜在的な影響への懸念はさほど材料視されず、業績の底堅さを示す兆しを背景に上昇相場が続いている。ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種構成企業の約81%で第1四半期の利益が予想を上回った。 

  UBSチーフ・インベストメント・オフィスのウルリケ・ホフマン・ブチャディ氏は「決算とガイダンスはいずれも良好だ。テック株がけん引しているが、消費の底堅さや景気循環の上向きの兆しに支えられ、利益は幅広い分野で伸びている」と述べた。

外為

  外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数が小幅高。朝方にはISM製造業景況指数が予想を下回ったことを受けて下げ幅を拡大し、この日の安値水準を付けたが、午後に上げに転じた。

  円は対ドルで小反落。日本時間に1ドル=155円台半ばまで急伸する場面があったが、ニューヨーク時間の午前中は主に156円台半ばで推移。午後に157円近辺に下げた。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1193.381.360.11%
ドル/円¥157.08¥0.490.31%
ユーロ/ドル$1.1720-$0.0011-0.09%
米東部時間16時57分

  コモンウェルス銀行のストラテジスト、キャロル・コン氏は「値動きは、財務省にとって160円が防衛ラインであるとの見方を裏付けている」と述べた。「イラン戦争の再激化リスクや日銀の利上げに対する慎重姿勢を踏まえると、ドルは対円で近く持ち直す公算が大きい」と続けた。

  XTBの調査ディレクター、キャスリーン・ブルックス氏は「長期的に円を支えるには、介入を継続する必要がありそうだ」と話す。「過去に円買い介入がうまくいかなかった事例があることから、円の上昇は長続きせず、ドルが戻してくる可能性はある」と述べた。

  今回想定されている介入額について、TJMヨーロッパの為替営業・取引部門マネジングディレクター、ニール・ジョーンズ氏は「ドル・円の上昇を抑えるには全く不十分であり、相場を押し下げるにはなおさら足りない」と指摘。「さらに1000億ドル規模のドル売り・円買いがあれば、流れを変えるのに十分だろう」と述べた

国債

  米国債相場は高安まちまち。超長期債が小幅に上昇した一方、長期債を除いて小幅安となった。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.96%-0.7-0.14%
米10年債利回り4.37%-0.1-0.02%
米2年債利回り3.88%0.60.17%
米東部時間16時56分

原油

  ニューヨーク原油相場は続落。米国とイランの和平交渉は行き詰まってはいるが、決裂はしていない。市場では薄商いの中、週末を前にリスクを減らす動きとなった。

  将来の供給を巡る不透明感が、大幅な価格変動を招き、それが取引量を押し下げている。この日はレーバーデーで、中国やシンガポール、ドイツ、フランス、ブラジルなど多くの国で市場は休場だった。

  イランは米国との外交努力を継続する用意があると表明した。ただし、自国の軍は「完全な警戒態勢にある」と付け加えた。世界のエネルギー供給を混乱させている紛争は、9週間に及んでいる。

  一方のトランプ米大統領はより悲観的な姿勢を示し、「イランは私が同意できない要求をしている」と述べた。ただ、一部のトレーダーはこれを和平の断念ではなく、交渉上の戦術と受け止めている。

  朝方には中東発の報道を受けて、相場は下落した。トランプ氏が開戦理由の一つに挙げていたイランの核開発が、協議の議題に上る可能性があると伝わった。さらに国営イラン通信(IRNA)は、イランが米国との交渉に向けた最新の提案文書を仲介国のパキスタンを通じて伝達したと報じた。

  ダンスケ銀行のストラテジスト、イェンス・ナービグ・ペデルセン氏は「原油が再び海峡を通過して流れ始めるまでには、想定以上に時間がかかる可能性があるという現実を、市場は認識し始めている」と指摘。「その結果、在庫はさらに取り崩される。需給を均衡させるには、需要抑制につながるような一段の価格上昇が必要になる」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比3.13ドル(3%)安の1バレル=101.94ドルで終了。北海ブレント先物7月限は2.23ドル(2%)下落し108.17ドルで終了した。

  金先物相場は続伸。米国とイランの対立終結に向けた合意への期待が背景にある。両国の対立は世界的な利下げ観測の後退につながっている。

  2月末の戦争開始以降、スポット相場は約12%下落。ホルムズ海峡の封鎖とそれに伴うエネルギー価格の急騰を背景に利下げ見通しが後退し、利息を生まない金への重しとなっている。

  JPモルガン・チェースの貴金属・ベースメタル調査責任者グレゴリー・シェアラー氏は、「短期的な相場の方向性については確信が強いわけではない。ただし、中期的には強気シナリオが依然として優勢で、当社もこれに同意している」と述べた。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後4時5分現在、前日比8.50ドル(0.1%)安の1オンス=4609.35ドル。一時は0.9%上昇していた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は14.90ドル(0.3%)高の4644.50ドルで引けた。

原題:US Stocks Extend Record Gains, Oil Falls on Iran Talks Report(抜粋)

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