- 「一定の効果」との評価、一方で「長期下支えには不十分」との声も
- ニューヨーク市場は追加介入を警戒、対ドル156円台半ばで推移

円が対ドルで急騰した4月30日の外国為替市場で、日本の通貨当局が行った円買い介入の規模は約5.4兆円の可能性が高い。日本銀行が1日公表した7日の当座預金増減要因の予想値と介入要因を含まない市場推計の差が示唆している。
為替決済は取引の2営業日後。30日分は7日の日銀当座預金残高予想に表れ、介入を反映する財政等要因はマイナス9兆4800億円となった。東京短資とセントラル短資の予想はマイナス4兆円程度、上田八木短資はマイナス4.25兆円程度。3社平均との差額が円買い介入の規模と推定される。
東短リサーチの高井雄一郎研究員は、財政等要因の数字の下振れの大きさから考えて、「5兆円強の円買い介入が実施されたのではないか」と指摘。30日の円相場の動きの大きさから考えても「妥当な規模だろう」と述べた。

事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにしたところによると、政府・日銀は30日にドル売り・円買い介入を実施した。2024年7月以来となる介入を受けて、円は対ドルで160円台から一時155円57銭まで上昇し、2月末以来の高値を付けた。
介入の実施前には、片山さつき財務相が「いよいよ断固たる措置を取るタイミングが近づいている」と発言。三村淳財務官も投機筋を念頭に、「これを最後の退避勧告として申し上げる」と警告を発していた。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、まとまった資金を投入した今回の介入に一定の効果はあったと指摘。一方で、ゴールデンウィーク中に再び介入が行われる可能性もあるとみる。その上で、「160円のラインを死守するという当局の強い姿勢がうかがえる」との見解を示した。
一方でXTBの調査ディレクター、キャスリーン・ブルックス氏は「長期的に円を支えるには、介入を継続する必要がありそうだ」と話す。「過去に円買い介入がうまくいかなかった事例があることから、円の上昇は長続きせず、ドルが戻してくる可能性はある」と述べた。
財務省は月次ベースの介入の有無を総額の形で月末に公表している。4月28日-5月27日の分は5月29日の午後7時に公表する予定。24年7月の前回の介入では、2日連続で計5兆5348億円のドル売り・円買いを行った。
日本当局は2024年、円が160円17銭付近まで下落した後、数回にわたり合計約1000億ドル規模の円買い介入を実施した。
今回想定されている介入額について、TJMヨーロッパの為替営業・取引部門マネジングディレクター、ニール・ジョーンズ氏は「ドル・円の上昇を抑えるには全く不十分であり、相場を押し下げるにはなおさら足りない」と指摘。「さらに1000億ドル規模のドル売り・円買いがあれば、流れを変えるのに十分だろう」と述べた。
ニューヨーク外為市場のトレーダーは、前日に続いて日本当局が行動に出る兆候がないか注視している。
ニューヨーク時間1日朝の時点で、円は対ドル156円台半ばで推移している。

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原題:Yen Traders on Alert After Japan’s $34.5 Billion Intervention(抜粋)